デンマーク・コペンハーゲンに本社を置く Zealand Pharma は、ペプチド医薬品の研究開発を軸に、肥満や糖尿病など代謝性疾患に特化した治療法の創出を進めているバイオテクノロジー企業です。
今回発表された GLP-1/GLP-2 受容体デュアル作動薬「dapiglutide」の28週間に及ぶ第1b相試験結果は、同社の肥満治療パイプラインの中核を担う重要なマイルストーンと位置づけられます。
週1回の投与で高い体重減少効果を示しただけでなく、消化器症状を除き重篤な副作用が確認されなかった点も大きな成果です。
この記事では、最新の臨床データを踏まえ、dapiglutide の特徴や試験デザイン、得られた成果の意義、さらには今後の開発ロードマップと競争環境について、製薬業界に携わる方々に必要なポイントを整理してお伝えします。
dapiglutide 28週間試験のポイント
- 試験デザインと対象集団
- 体重減少の結果と他薬剤との比較
- 安全性と忍容性の詳細
- 開発計画と市場での位置づけ
試験デザインと対象集団
今回の第1b相試験は、28週間の多段階用量漸増プロトコルで実施されました。
参加者は30名で、約93%が男性、BMI中央値は28.8と比較的低い数値でした。週1回の皮下投与が行われ、最大で26mgまで段階的に増量されています。4週間ごとの用量増量スケジュールが採用されており、副作用の抑制が意図されています。
体重減少の結果と他薬剤との比較
dapiglutide を投与された群では、28週間後に平均11.6%の体重減少が確認されました。
一方で、プラセボ群は0.2%の減少に留まり、統計的な差が明らかです。この結果は、現行の週1回投与型 GLP-1 受容体作動薬と同等水準であり、GLP-2 活性による追加効果が期待されています。
試験中に食事制限や運動療法は導入されておらず、純粋に薬剤の効果が示された形です。
| 項目 | dapiglutide群 | プラセボ群 |
|---|---|---|
| 平均体重減少率 | 11.6% | 0.2% |
| 投与期間 | 28週間 | 28週間 |
| 最大用量 | 26mg | なし |
| 用量増量間隔 | 4週間ごと | 該当なし |
安全性と忍容性の詳細
安全性については、ほとんどの有害事象が軽度の消化器症状であり、重篤な副作用は発生していません。主な症状としては、嘔気や嘔吐が報告されていますが、治療中止に至ったのは2名のみでした。
他のインクレチン系薬剤と類似の副作用プロファイルであるため、特段の新規リスクは確認されていません。
開発計画と市場での位置づけ
Zealand Pharma は dapiglutide を、低度の慢性炎症を伴う肥満関連疾患を対象とした新しい治療オプションとして開発しています。
今後は20%以上の体重減少を目指すフェーズ3試験が予定されており、より大規模なエビデンスが期待されています。
ただし、アミリン類似体など競合製品の台頭もあり、製品差別化が鍵となります。同社はロシュとの提携により、肥満治療のパイプラインをさらに強化しています。
参照:Zealand Pharma announces positive topline results from 28-week Phase 1b trial with GLP-1/GLP-2 receptor dual agonist dapiglutide|GlobalNewswire
Zealand Pharma、GLP-1/GLP-2 受容体デュアル作動薬 dapiglutide の28週間第1b相試験で良好な結果を発表
- Zealand Pharmaはペプチド創薬に特化する企業である
- dapiglutideはGLP-1とGLP-2のデュアル作動薬である
- 28週間で平均11.6%の体重減少を示した
- プラセボ群は0.2%の減少にとどまった
- 被験者の約93%が男性である
- BMI中央値28.8と比較的低めの対象集団である
- 最大26mgまで4週間ごとに用量を増量した
- 投与は週1回の皮下投与で実施された
- 主な副作用は軽度の消化器症状である
- 重篤な副作用は報告されていない
- 2名が副作用で治療を中断した
- 食事制限や運動療法は併用されていない
- 現行のGLP-1単独作動薬と同等の効果を示す
- GLP-2活性により炎症関連疾患への効果も期待される
- フェーズ3試験でさらなる有効性が検証される予定である
