臨床試験データベース【トライアルインテリジェンス】臨床試験・医師・施設を網羅|構成と機能解説

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臨床試験における成功と失敗を分ける要因のひとつは、いかにして正確で信頼性の高い情報に基づいて戦略を立てられるかという点にあります。

そんな中、近年注目を集めているのがグローバルデータの「Pharma Intelligence」の中核を担うトライアルインテリジェンスです。

このモジュールは、治験、治験医師、治験施設、エンロールメント情報とバイオマーカーといった臨床試験に関わるデータベースとして世界で活用されています。

さらにFeasibility Plannerといったツールを使うことや他のモジュールとの連携で臨床試験データベースとしても世界でもトップクラスの機能を備えます。

製薬企業にとって臨床試験は膨大なコストと時間がかかるものの最終的に承認まで至る医薬品は僅かです。いかに臨床試験を効率よく成功に導くかは経営戦略としても重要な戦略です。

そのための意思決定支援ツールとしての活用されている「トライアルインテリジェンス」をできるかぎりわかりやすく解説します。

このデータベースとツールを効果的に活用することで、治験計画の精度向上、競合の把握、リスクの低減といった課題に対して、開発戦略を客観的かつ実用的なアプローチが可能になります。

記事のポイント

  • トライアルインテリジェンスとは何か、その全体像と位置づけ
  • 各種データベース(Trials、Investigators、Sitesなど)の具体的な機能と役割
  • Feasibility Plannerを活用した実現可能性分析の手法
  • トライアルモジュールの導入が意思決定にもたらす具体的な効果

臨床試験データベース「トライアルモジュール」を構成する3つのコアデータ

  • トライアルインテリジェンスモジュールとは何か
  • 臨床試験データベースの活用ポイント
  • Pharma Intelligence グローバルデータの特長
  • Trials Databaseの構成要素と強み
  • Investigators Databaseの提供情報とは

トライアルインテリジェンスモジュールとは何か

トライアルインテリジェンスモジュールは、グローバルデータ(GlobalData)が製薬業界向けに提供する「Pharma Intelligence」プラットフォームの中核を成すコアモジュールの一つです。臨床試験に関する網羅的なデータを提供し、企業の試験計画や意思決定を支援します。

このモジュールの最大の特徴は、複数の臨床試験関連データベースが一体となって機能している点にあります。それぞれのデータベースは相互に連携し、情報の断片ではなく「文脈ある洞察」を生み出すことを目的としています。

以下は、トライアルインテリジェンスモジュールに含まれる主なデータベースと、その役割をまとめた一覧です。

データ・ツール             概要・主な役割
Trial Database38万件以上の臨床試験データを網羅、疾患別、フェーズ別、国別、進捗状況別に分析可能
Investigators Database50万人以上の治験医師データ。治験責任医師の専門領域、役割、実績、再起用傾向などプロファイルを収録
Sites Database10万の治験施設データ。所在地、実施件数、スポンサー別情報、完了率など、試験実績データを収録
Enrollment Database国・疾患別の患者リクルート効率、期間、症例獲得数などを集約、試験計画を判断できる
Biomarkers Database68,000以上のユニークバイオマーカーと150,000以上の疾患別バイオマーカー情報を収録
Feasibility Planner推奨される施設・医師を条件に応じて抽出し、ベンチマークと比較、治験をシミュレート

これらの情報は、60,000件を超える世界中の一次・二次情報源から日次で収集され、最新の臨床試験環境を反映しています。

データベースから、特定の医師が過去に関与した試験の結果や、どの施設が高い試験完了率を誇っているかといった情報など必要な情報を瞬時で入手、戦略的な意思決定を迅速に確実にすることができます。

Pharma Intelligenceの他モジュールと連携できるので、疾患の市場予測、パイプライン情報、薬価情報など、より多角的、戦略的に臨床開発に関して深い考察が可能です。

このように、トライアルインテリジェンスモジュールは、単なるデータ提供にとどまらず、製薬企業が臨床開発で競争優位を築くための基盤として、多くの場面で活用されているソリューションです。

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臨床試験データベースの活用ポイント

臨床試験データベースは、1995年以降に登録された45万件を超える世界中の臨床試験情報をベースとして様々な分析や考察を可能にします。

それではどのような機会にこのデータベースを活用することができるのでしょうか?特に活用される機会が多いであろうケース、用途を紹介します。

まずは、臨床試験や化合物の競合調査です。

自社と同様の疾患や対象集団に対して他社がどのような試験を実施しているかを把握することで、自社の開発計画における差別化の方向性を明確にできます。

試験のフェーズ別、地域別、薬剤別の絞り込み機能が可能ですので、細かい比較分析に有効です。

次に、臨床試験の戦略立案です。

新たな試験を計画する際、過去に類似の試験がどのように設計され、どのような成果を上げたのかを参照します。

比較、参照する臨床試験を定量的に効率よく収集することができ、様々な角度から分析が可能です。成功の確率の向上、特定の患者群やパラメーターを狙った試験の実施の有無など試験の効率を高めるために活用されています。

以下は、臨床試験データベースから入手、分析が可能な情報の一部とどのような効果が期待されるのかをまとめています。

活用機能概要想定される効果
ステータス別の試験検索計画中、進行中、完了、終了などステータスごとに試験を分類して検索可能タイムリーな競合分析と市場の動向把握に寄与
試験フェーズ別比較フェーズI〜IVに分けて同領域の試験傾向を比較できる自社試験のポジショニングと差別化の戦略策定が可能
試験目的・評価項目の抽出有効性、安全性、予防などの目的に応じて過去の評価指標を一覧表示適切なアウトカム設定と審査対応の参考となる
対象国・施設数の情報確認地域ごとの施設数や症例数、施設完了率などを確認可能実施地域の選定におけるリスク評価ができる
被験者条件の設定分析年齢、性別、疾患重症度など細かい条件に基づいた試験条件を確認可能プロトコル設計の精緻化と倫理的妥当性の確保

Trials Database:38万件以上の全世界の臨床試験データ

Trials Databaseは、グローバルデータのトライアルインテリジェンスモジュールにおいて、最も中核的な役割を果たす情報基盤です。

このデータベースは、1995年以降の世界中の臨床試験に関する情報を網羅しており、治療領域、試験段階、地域別、ステータス別といった多角的な切り口から分析が可能です。

特に、構成がきわめて実務に即した設計になっている点が注目です。

試験設計、進行状況、実施地域、試験対象、評価指標といった試験運営に関わるあらゆる要素が、体系的に整理・収録されています。

そのため、過去の傾向や現行試験の動向を即座に把握できる構造となっており、戦略的な意思決定に直結します。

Trials Databaseにおける主要構成と強み

構成要素内容の概要活用の強み
適応症分類あらゆる疾患領域を網羅(希少疾患を含む)対象疾患の傾向分析や領域戦略に直結
試験種別情報介入試験、観察研究、拡大アクセスなどの種別に分類試験設計やベンチマーク評価がしやすい
試験フェーズフェーズ0〜IVの段階ごとの分類と情報提供各段階での成功率や傾向の把握に適している
ステータス管理Planned/Ongoing/Completed/Terminatedなどの試験状態を明示業界の活動動向や競合の状況把握が可能
対象地域・施設情報国別・地域別の施設数、実施数、症例登録数の情報を連携実施地域の選定やリスク管理の判断材料となる
評価項目・アウトカム有効性・安全性などの主要評価項目、二次的評価項目を明示試験の設計段階での参考資料として有用
被験者条件年齢、性別、疾患ステージなどの細かい被験者条件を記録プロトコル設計や適応確認に役立つ

これらの構成要素は、単体でも有効な分析ツールとなりますが、横断的に活用することでより高度なインサイトの獲得が可能となります。たとえば、希少疾患のフェーズIII試験において、過去に成功した国や施設、試験期間の平均を確認すれば、実施計画の現実性を高める判断材料になります。

また、日々の更新により、試験の中止や再開、施設の変更などもリアルタイムに近いかたちで反映されるため、動的な市場環境の中でも常に最新情報をもとに行動を選択することができます。

要するに、Trials Databaseは、臨床開発における過去・現在の試験情報を横断的に俯瞰し、自社の開発戦略や実行計画を客観的に見直すための「情報の基盤」として活用することができます。競争が激化する医薬品開発の世界で、確実に前進するための一手を支える存在です。

以下のように整理すると、読者にとってわかりやすく、かつ網羅性のある形でトライアルデータベースのソースを紹介できます。

トライアルデータベースの情報ソース

Trialsデータベースを構成する臨床試験データは、250を超える臨床試験レジストリをはじめとした信頼できる情報ソースからグローバルデータのリサーチ部門が収集しています。

米国のClinicalTrials.govや欧州のEU Clinical Trials Register、日本のjRCTなど、各国の主要レジストリが含まれており、計画中、実施中、完了済み、さらには中止や中断された試験も対象としています。

次に、200以上のソースにわたる科学・投資家向けカンファレンスの発表内容も取り込まれています。これにより、学会発表で初めて明らかになる試験開始の動きや、結果の速報などもタイムリーに把握することが可能です。

さらに、製薬企業などによる公式な情報発信も重視されています。具体的には、企業のパイプライン情報やプレスリリース、投資家向け資料に加えて、SEC(米国証券取引委員会)への提出書類に含まれる臨床情報なども継続的に収集されています。

このように、データベースは、レジストリ情報の集約、企業発信や学会発表までをも包含する構造により、研究者や製薬企業が臨床開発戦略を立てる上での強力な基盤を提供しています。

Sites Database: 182カ国10万以上の治験施設情報のデータベース

Sites Databaseは、グローバルデータが提供するトライアルインテリジェンスモジュールの一部として、臨床試験の実施施設に関する情報を網羅的に管理するデータベースです。

このデータベースでは、治験実施施設の過去の活動実績や現在の運営状況に関する詳細な情報を取得することができます。

臨床試験の実行可能性を判断するうえで、施設の能力や信頼性を事前に評価することは極めて重要です。その意味で、Sites Databaseは施設選定の合理化に大きく貢献します。

豊富な施設情報で判断の精度を向上

このデータベースには、182か国、24,874社に関連する116,000件以上の試験施設データが含まれており、各施設が過去に対応した試験の件数、対象領域、試験ステータス(計画中・進行中・完了など)ごとに分類されています。

これにより、治験計画段階で以下のような多角的な情報収集が可能になります。

  • 施設ごとの臨床試験実績(疾患領域別・フェーズ別)
  • 各施設が関与した主要スポンサー企業とその頻度
  • 地域ごとの治験登録実績や試験完了率
  • 試験中断・中止歴の有無と頻度
  • 試験ごとの患者登録状況や進捗パターン

構造的な検索と分析機能

施設情報の要素内容の概要活用の目的・効果
臨床試験数各施設が実施した試験の総数(疾患別、フェーズ別での分類)経験豊富な施設の選定や能力比較に活用
ステータス別試験記録Planned/Ongoing/Completedなどの進捗状況に分類稼働中施設や実績施設の抽出が容易になる
スポンサー企業との関係性過去に関与した企業名と関与頻度同業他社との関係性から協力可能性を推測できる
地域別分布と成功率地域単位での試験完了率や症例登録実績の記録エリアごとのリスク分析や適地選定の根拠となる
症例獲得数・登録速度試験ごとの患者数やリクルートスピードの記録スケジュール管理やリクルート戦略の調整に役立つ

これらの情報は、日々の業務だけでなく、グローバルな治験戦略を立てる際にも活用されています。

たとえば、新しい疾患領域に参入する際、過去に類似疾患の治験を多数実施した施設を複数国にわたって抽出することができれば、初期段階から高精度な施設配置を実現できます。

また、施設ごとの患者登録スピードや完了率が可視化されていることで、過去の失敗パターンの再発を未然に防ぐ材料としても機能します。

これにより、試験のタイムラインとコスト予測の精度が高まり、リスク管理にもつながります。

Sites Databaseは、単に施設のリストを提供するだけではなく、蓄積された実績データを通じて“どこで、誰と、どのように”試験を進めるべきかという判断を支えるツールとして活躍します。

治験における地理的・実務的な最適解を導き出すための強力な支援装置といえるでしょう。

Investigators Database:60万人以上の治験医師のデータベース

Investigators Databaseは、グローバルデータが提供するトライアルインテリジェンスモジュール内において、治験実施医師(インベスティゲーター)に関する詳細なプロフィール情報を一元管理・検索可能にする専門データベースです。

このデータベースでは、実際に臨床試験を実施した医師や医療関係者に関する多角的な情報が収録されており、治験計画や施設・人材の選定において実務レベルで活用されています。

豊富なプロファイル情報を一括で把握できる仕組み

本データベースは、615,000件を超える医師データを収録し、187か国、45,000社以上の組織に関連づけられた情報をカバーしています。特定の医師について、以下のような詳細な属性情報を網羅的に確認できます。

  • 専門領域(例:腫瘍内科、神経学など)
  • 勤務先機関および所在地
  • 治験での役割(主に責任医師としての関与実績)
  • 関与した治験の件数・領域・フェーズ
  • 再起用傾向や企業との関係履歴
  • 試験完了率や患者登録数などの実績指標

このように、過去の活動履歴と実務能力が数値とともに可視化されており、信頼性の高い医師を効率的に見極めるうえで有効な基盤となります。

構造的な情報設計がもたらす実用性

情報項目内容の概要活用の場面
専門領域と疾患経験医師の専門分野と過去に関与した適応症の記録適切な試験対象領域における医師選定
責任医師としての参加回数治験で主要な役割を担った実績(件数やフェーズ別も含む)経験値に基づく信頼性評価
試験完了率と症例登録数過去の試験での完了実績や症例獲得数に関する指標実務能力や遂行力の比較
再起用傾向および企業との関係性同一企業との複数回契約、再登用の履歴継続的な協力が可能な人材かどうかの判断材料
所属機関情報と地理的条件勤務先病院・研究機関の名称、住所、地域分類など地域戦略と施設選定へのリンク

こうした構成によって、特定地域や疾患領域での実績をもつ治験責任医師を短時間で絞り込むことができます。また、個人単位での分析だけでなく、同一施設内での医師ネットワークや組織レベルの実績を比較・参照することも可能です。

たとえば、新たな抗がん剤の国際共同試験を計画する際に、過去にオンコロジー領域でフェーズIIIの実績がある医師をアジア圏から抽出したい場合、特定条件で絞り込んだリストを瞬時に得ることができます。これは、時間とコストをかけて調査員を手配していた従来のプロセスに比べ、圧倒的な効率化を実現する要素となります。

以上の点を踏まえると、Investigators Databaseは単なる連絡先情報の集積ではなく、医師の実績と信頼性を「数値と文脈の両面」で評価できる精緻なツールであることがわかります。グローバル規模での治験戦略において、人材選定の確度とスピードを高めるための不可欠なリソースとして機能しています。

治験データベース「トライアルモジュール」を使う理由

AI創薬 成功例
  • Sites Databaseによる施設情報の収集
  • Enrollment Databaseの分析機能と利点
  • Biomarkers Databaseがもたらす臨床試験設計の進化
  • Feasibility Plannerで可能になる試験計画の最適化
  • トライアルモジュール グローバルデータの導入を検討すべき理由

Enrollment Databaseの分析機能と利点

Enrollment Databaseは、グローバルデータのトライアルインテリジェンスモジュールの中でも、臨床試験における「患者リクルート」に焦点を当てた専門的な情報基盤です。

臨床試験において患者登録の遅延は、コスト増加やスケジュールの後ろ倒しに直結するため、各国・施設におけるリクルート動向を事前に把握することは、治験成功の可否を大きく左右します。

このデータベースは、疾患別、地域別、試験フェーズ別などの軸で、患者の登録スピードや効率に関する情報を定量的に可視化しています。

さらに、集計された指標を比較できる構造になっており、国や施設ごとの登録実績を横断的に分析することが可能です。

Enrollment Databaseの主な機能と構造

以下の表に、Enrollment Databaseの主要な分析機能と、それぞれの実務上の活用ポイントを示します。

機能項目内容の概要活用の場面
登録率(リクルートスピード)各施設・国・疾患領域における1日あたりの平均登録数を算出試験期間の見積もり精度を高め、計画段階での現実性を向上
平均リクルート期間患者登録開始から目標症例数到達までの平均日数スケジュール管理、サイト開設タイミングの調整に役立つ
登録成功率施設ごと・国ごとの目標登録数達成率を過去実績に基づき算出高実績施設の抽出やリスク評価の判断基準として使用
疾患別リクルート特性疾患ごとに登録スピード、登録障壁、地域差などを集計適応症ごとの登録難易度を事前に把握し、戦略的計画に反映できる
地域別比較分析同一疾患に対する国や地域別の登録状況を可視化国際治験における地域選定・割り当て比率の設定支援
被験者プロファイル分析(※連携機能)性別、年齢、合併症の有無などの被験者条件に関する分析(他DBと連携)対象患者集団の設計や倫理的観点の整合性チェックに利用可能

登録効率の改善に向けた具体的な応用

たとえば、ある企業が特定の希少疾患における国際共同試験を計画している場合、Enrollment Databaseを用いて、過去に同疾患の登録スピードが早かった国や施設を抽出することができます。

さらに、地域ごとの平均登録期間や達成率を確認することで、リクルート戦略を最適化し、無理のない症例割り当てを行うことが可能になります。

また、疾患ごとの登録障壁を可視化することで、どのような条件下で登録が滞りやすいかを把握できます。

例えば、高齢者の割合が多い疾患では登録期間が長期化しやすい傾向にあるといった情報は、事前の対策設計に直結します。

こうした情報は、単にリスクを回避するだけではなく、成功確率の高い試験実行計画を立てる上で、非常に有効な指針となります。

Enrollment Databaseは、試験の成否を左右する「患者登録」という実務上の最もボトルネックになりやすい要素を、数値的・地理的に把握し、計画段階からの改善につなげるための専門ツールです。

開発スピードと品質を両立させたい製薬企業にとって、極めて実用性の高いリソースだと位置付けられます。

Biomarkers Databaseがもたらす臨床試験設計の進化

Biomarkers Databaseは、臨床試験の質と効率を高めるうえで、これまでにない視点からアプローチを可能にする情報モジュールです。

このデータベースは、各種疾患に関連するバイオマーカー情報を網羅的に収録しており、特にPrecision Medicine(精密医療)に関心を持つ企業や研究機関にとって、設計段階から差別化戦略を立てるための強力な支援ツールとして機能します。

臨床開発において、バイオマーカーは単なる補助情報ではなく、対象患者の選定、適切な投与量の決定、有効性評価の指標、あるいは副作用予測にまで関与する中心的な要素へと変化してきました。

このような背景の中で、Biomarkers Databaseは、過去の臨床試験データと連動した「バイオマーカーの使われ方」に着目し、設計実務に直結する知見を蓄積しています。

設計の標準化から個別化へ

従来、臨床試験の設計は「疾患別」「治療法別」といった広範な分類に基づいて構築されるのが一般的でした。しかしBiomarkers Databaseを用いることで、より精緻に患者群を定義したうえで、最適な評価指標やエンドポイントを選択できるようになります。これにより、統計的なばらつきを抑えつつ、必要症例数を削減し、より短期間で結果を出すことも現実味を帯びてきます。

さらに、がんや希少疾患などにおいては、バイオマーカーに基づく層別化設計(Stratified Design)や、適応型デザイン(Adaptive Design)の採用も視野に入り、Biomarkers Databaseはそうした高度な設計アプローチを技術面から支える基盤になります。

以上のように、Biomarkers Databaseは、単なる情報集約ではなく、臨床開発の進化に伴う「設計思想の転換」を現場で具現化するための不可欠な支援リソースです。精密性と効率性を両立した開発戦略を構築するうえで、その価値は今後さらに高まると考えられます。

Feasibility Plannerは試験計画の最適化を比較、分析できるツール

Feasibility Plannerは、GlobalDataのPharma Intelligenceに含まれるTrial Intelligence Moduleの一部として、臨床試験の計画段階における意思決定を多角的に支援するツールです。

特に、治験の実現可能性を多角的なデータに基づいて評価できる点が大きな特長であり、試験設計の精度向上や、リスクの低減につながる判断材料を提供します。

従来の臨床試験では、施設選定や医師のアサイン、患者リクルートの見込みなどを、過去の経験や限定的なネットワークに頼って決定することが多くありました。

その結果、想定よりリクルートに時間を要したり、必要な症例数を確保できないまま試験が遅延する事例も少なくありませんでした。

Feasibility Plannerでは、Trials、Investigators、Enrollment、Sitesなどの各データベースから収集された豊富な情報を統合的に解析し、試験の実行可能性を事前に可視化することが可能です。

以下の表は、Feasibility Plannerが担う主要な分析項目と、それに基づいて得られる実務上のメリットを整理したものです。

分析項目内容の概要試験計画上のメリット
過去試験の実施地域分析同一疾患や同様デザインの試験が過去に実施された国・地域を表示国ごとのリクルート可能性を予測できる
実施医師・施設の実績可視化過去の治験で実際に参加した医師や施設のエンロール実績を可視化リクルート能力の高い拠点の特定が可能
症例組入れ速度と期間のシミュレーション過去データをもとに、疾患別・国別のリクルート速度や組入れ完了までの期間をモデル化試験期間やコスト見積もりの精度向上に寄与
競合試験の有無と影響の推定同時期に予定される競合試験を特定し、患者獲得競争のリスクを定量化試験実施時期や地域の調整によるリスク回避が可能
複数国における最適国選定の提案特定疾患における候補国ごとの実績比較と、推奨国リストの提示グローバル試験における戦略的な国別展開を支援
治験責任医師候補の自動抽出過去の疾患別試験で中心的役割を担った医師を条件付きで一覧化実績と関心を持つ医師を的確に把握でき、交渉の効率が高まる

こうした分析機能により、Feasibility Plannerは試験設計における属人的判断を減らし、科学的根拠に基づく計画立案を実現します。特に初期段階での計画精度を高めることで、後工程の修正や再調整を最小限に抑えることができ、全体としての開発効率を大幅に向上させる効果が見込まれます。

また、単一施設や単一地域に依存しがちな国内試験においても、より広範な視野で候補を絞り込むアプローチが可能になるため、今後グローバル展開を視野に入れた試験計画を進める際にも、有効な足がかりとなるでしょう。試験の成功率を高めるには、準備段階での戦略設計が何よりも鍵を握ります。その意味で、Feasibility Plannerは、治験成功を支える“入口”の質を大きく変える支援ツールと位置付けられます。

トライアルモジュール グローバルデータの導入を検討すべき理由

臨床開発の競争が激しさを増す中で、試験計画や施設選定、実施体制の最適化は製薬企業やアカデミアにとって喫緊の課題です。こうした課題に対する具体的な解決策として、GlobalData社が提供する「トライアルインテリジェンスモジュール」の導入は、極めて実用的な選択肢と考えられます。単なる情報収集ツールではなく、戦略的意思決定をサポートするデータ基盤として機能する点がその大きな特長です。

このモジュールは、Pharma Intelligenceというプラットフォームの中核を担う構成要素の一つであり、世界中の治験情報を一元管理・分析できるよう設計されています。特徴的なのは、複数の専用データベースとその連動機能によって、治験のあらゆる局面での判断を一貫して支援する点にあります。たとえば、以下のような視点で導入の有効性が明確になります。

活用対象領域提供される主な機能得られる導入効果例
試験計画Feasibility Plannerにより治験実現性を定量的に評価無駄な試験設計の回避、計画精度向上
実施医師および施設の選定Investigators/Sites Databaseを用いて過去実績を比較可能適切なKOLアプローチ、リクルート力の高い施設の発見
組入れ期間・競合の見積もりEnrollment/Trials Databaseで症例獲得速度や他試験の状況を把握試験期間の短縮、他社とのバッティングリスクの軽減
個別化医療への対応Biomarkers Databaseにより疾患・標的ごとの試験設計に対応精密医療向け開発の戦略設計に貢献

さらに特筆すべき点は、これらのデータ群が常に更新され、6万件以上の信頼性ある情報源から日々収集されている点です。これにより、現場の開発担当者が最新かつ正確な情報に基づいて素早く意思決定を行うことが可能になります。

導入によって得られるメリットは、単に業務の効率化にとどまりません。リスク回避、開発スピードの向上、コスト最適化といった複数の観点で、企業の臨床開発戦略全体に好影響をもたらします。また、グローバル試験を推進する際の足がかりにもなりうるため、中長期的な視点での競争力強化にもつながります。

このように、トライアルモジュールの導入は単なる情報収集にとどまらず、意思決定の質そのものを高めるインフラ投資と言えます。今後の治験設計やグローバル展開を見据えた上で、確かな判断基盤を構築したい組織にとって、有力な選択肢となることは間違いありません。

まとめ:臨床試験データベース【トライアルインテリジェンス】臨床試験・医師・施設を網羅|構成と機能解説

  • トライアルインテリジェンスモジュールは臨床試験支援のためのデータ統合ツールである
  • Pharma Intelligence グローバルデータの中核を担うシステムである
  • Trials Databaseは治験実施中または完了済みの試験情報を網羅している
  • 治験の競合状況や過去事例を把握するための分析が可能である
  • Investigators Databaseは治験医師の経歴や経験分野を確認できる
  • 研究者の選定や提携検討に役立つプロファイル情報を提供する
  • Sites Databaseは治験実施施設の所在地や実績などを整理している
  • 施設の治験適正を見極める際に有用な情報を網羅している
  • Enrollment Databaseは被験者の登録動向や集積スピードを把握できる
  • 地域や疾患別のリクルート傾向を分析しやすい構成となっている
  • Biomarkers Databaseはバイオマーカーの使用状況や試験との関連を示している
  • 精密医療を想定したプロトコル設計に活用できる
  • Feasibility Plannerは試験の実現可能性を多角的に評価できるツールである
  • 治験計画立案時の戦略策定やリスク低減に貢献する
  • トライアルモジュール グローバルデータは試験効率の最大化を支援する体系的情報源である
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