アムジェンは2025年6月30日、同社が開発中のFGFR2b標的抗体「ベマリツズマブ」について、進行胃がんを対象としたフェーズ3試験「FORTITUDE-101」で良好な結果が得られたと発表しました。今回の解析では、ベマリツズマブと化学療法の併用が、化学療法単独と比較して統計的かつ臨床的に有意な全生存期間の延長を示したとのことです。これにより、治療選択肢が限られていたFGFR2b陽性の非HER2胃がん患者に対し、新たな標的療法の可能性が示されました。
- ベマリツズマブはFGFR2b陽性の進行胃がんに対し、新たな治療可能性を提示しました。
- 全生存期間の延長という明確なベネフィットが確認されつつも、有害事象への慎重な対応が求められています。
- 今後は他剤との併用療法も含めたさらなる検証と適用範囲の拡大が期待されます。
臨床試験結果が示すベマリツズマブの可能性
- ベマリツズマブ併用療法の効果
- 安全性と副作用の傾向
- 今後の開発と併用療法の展望
- まとめ:新たな標的治療の地平
ベマリツズマブ併用療法の効果
FORTITUDE-101試験では、切除不能な局所進行または転移性の胃・食道胃接合部(GEJ)がん患者547名が登録されました。対象はHER2陰性で、腫瘍細胞にFGFR2bの過剰発現(IHC染色で2+/3+の強度が10%以上)を示す人々に限られました。
この試験では、ベマリツズマブと標準化学療法(mFOLFOX6)の併用群と、プラセボと化学療法の併用群が比較されました。中間解析の結果、ベマリツズマブ併用群は全生存期間において統計的に有意な延長が見られました。具体的な数値は今後の学会で発表予定とされていますが、この結果は、第2相試験で確認された傾向と一致しています。
言ってしまえば、これまでの標準治療では効果が限定的であった患者層に対し、有望な治療選択肢が生まれたことになります。
安全性と副作用の傾向
一方で、安全性に関する懸念も浮かび上がっています。フェーズ2試験の時点で、角膜障害や口内炎といった有害事象が比較的高頻度で報告されていました。今回のフェーズ3試験でも、同様の傾向が確認されています。
具体的には、視力低下や点状角膜炎、角膜上皮欠損、ドライアイなどの眼科系有害事象が25%以上の患者で発生し、ベマリツズマブ投与群でより多く見られました。また、貧血や好中球減少、悪心といった副作用も報告されています。
このように、治療効果が高い一方で、副作用のリスクにも注意が必要です。医療現場では、治療効果と安全性のバランスを慎重に見極める対応が求められるでしょう。
今後の開発と併用療法の展望
現在、ベマリツズマブは中国、香港、マカオ、台湾においてZai Labと共同開発が進められており、地域別の展開も活発に行われています。
さらに、ブリストル・マイヤーズ スクイブの免疫チェックポイント阻害剤「オプジーボ(ニボルマブ)」との併用による第3相試験も進行中です。この試験では、ベマリツズマブ・化学療法・オプジーボの三剤併用療法による初回治療の有効性が評価されており、2025年下半期のデータ公表が予定されています。
こうして多角的な治療アプローチが進行することで、治療の個別化や効果の最大化が期待されます。
参照記事
アムジェン、胃がん対象のFGFR2b抗体「ベマリツズマブ」で良好なフェーズ3結果を発表
- ベマリツズマブはFGFR2b陽性の進行胃がんを対象にした治療薬である
- フェーズ3試験「FORTITUDE-101」で全生存期間の有意な延長を示した
- 化学療法との併用で効果が得られた点が試験の特徴である
- 試験はHER2陰性かつFGFR2b過剰発現の患者を対象とした
- 547人が37カ国で参加した国際的な多施設共同試験である
- FGFR2b陽性の定義はIHCで2+/3+の染色が10%以上の腫瘍細胞である
- 治療群では貧血や好中球減少などの副作用も確認された
- 特に視覚障害などの眼科系の副作用が多く報告された
- 副作用はフェーズ2の傾向と一致していた
- 重篤な副作用により治療中断となった症例も存在した
- FGFR2bを標的とする抗体医薬は現時点で治療選択肢が限られている
- FORTITUDE-101はZai Labと共同で実施された
- 中国・台湾地域ではZai Labが開発と商業化を担う
- オプジーボとの併用による第3相試験も進行中である
- 今後の詳細データは学会で発表予定でさらなる注目を集めている
