定義
NPV(Net Present Value:正味現在価値)とは、将来得られる収益を現在価値に割り引き、投資額を差し引いた数値です。製薬開発プロジェクトの価値評価や投資判断に広く活用されます。
なぜNPVが重要か
製薬開発には数百億円単位の投資が必要で、リスクも極めて高いのが現実です。
このときNPVを算出することで、次の判断が可能になります。
- 開発継続か中止かの意思決定:NPVが大きくマイナスであれば撤退の判断材料に。
- 導出(ライセンスアウト)交渉:NPVベースで価値を算定し、契約条件に活かせる。
- 投資効率の比較:複数の開発品や疾患領域間でリターンを比較する指標になる。
実務での使い方
製薬業界では、NPVは「開発フェーズの成功確率」とセットで用いられます。
- 将来キャッシュフローを予測
- 売上予測(市場規模 × シェア × 価格)をもとに将来収益を算出。
- 成功確率を組み込む
- フェーズⅠ、Ⅱ、Ⅲの成功確率を加味して期待値を算出。
- 割引率で現在価値に換算
- 通常10~15%程度のディスカウントレートを使用。
- 投資額を差し引く
- 臨床試験や開発コストを差し引いた正味の価値がNPV。
初心者が陥りやすい失敗
- 割引率を一律に設定してしまい、リスクを過小評価する
- シナリオ分析をせず単一予測で意思決定してしまう
- 投資額を正確に反映していないため実際より高いNPVを見積もる
関連する手法・用語
FAQ(よくある質問)
Q1. 製薬業界でNPVが特に重視されるのはなぜ?
A. 投資規模が非常に大きく、失敗リスクも高いため「将来収益を現在の価値で見る」考え方が不可欠だからです。
Q2. 割引率はどう決める?
A. 業界の標準は10〜15%ですが、会社の資本コストやプロジェクトのリスクによって調整します。
Q3. NPVだけで判断してよい?
A. いいえ。NPVは重要ですが、戦略的価値やシナジーも考慮する必要があります。
