ノボ ノルディスクが開発を進めている肥満治療薬候補「アミクレチン」に関する新たな臨床試験データが公表されました。
今回の結果は『The Lancet』に掲載され、米国糖尿病学会(ADA)2025年次学術集会でも詳細が共有されています。
これにより、同社が皮下投与および経口投与を来年早期にフェーズ3試験へ移行する計画の根拠が示されました。
アミクレチン最新データのポイント

- 皮下投与の臨床試験結果
- 経口投与の試験結果と展望
- 安全性と忍容性
皮下投与の臨床試験結果
ノボ ノルディスクが発表したフェーズ1b/2a試験では、週1回の皮下投与アミクレチンが高い体重減少効果を示しました。最大用量の60mgを投与した群では、36週で平均24.3%の体重減少が確認され、プラセボ群では1.1%にとどまっています。
この結果は、同分野で注目されているイーライリリーのレタトルタイドと比較しても、減量達成の速度で優位性を示唆します。加えて、20mg群で22%、5mg群で16.2%、1.25mg群でも9.7%の体重減少が記録され、用量依存性が明らかになりました。
治療期間中に体重減少が頭打ちになる兆候はなく、より長期の治療でさらなる効果が期待されています。
皮下投与群の体重変化(推定平均)
| 用量 | 投与期間 | 体重変化(アミクレチン) | 体重変化(プラセボ) |
|---|---|---|---|
| 60mg | 36週 | -24.3% | -1.1% |
| 20mg* | 36週 | -22.0% | +1.9% |
| 5mg* | 28週 | -16.2% | +2.3% |
| 1.25mg* | 20週 | -9.7% | +2.0% |
*12週間の維持投与期間を含む
経口投与の試験結果と展望
皮下投与に続き、経口アミクレチンの結果も『The Lancet』に掲載されました。
12週間のフェーズ1試験では、1日50mgの単回投与で平均10.4%、1日2回50mg投与で平均13.1%の体重減少が確認されています。これに対し、プラセボ群はわずか1.2%にとどまりました。
前述の通り、治療期間中に体重減少が停滞する兆候はなく、治療期間の延長によってさらなる効果が得られる可能性があります。
この結果を受け、ノボ ノルディスクは経口製剤についてもフェーズ2を省略し、来年早期にフェーズ3試験に進む計画です。
安全性と忍容性
これまでの結果から、アミクレチンは全体的に忍容性が高く、深刻な新たな安全性の問題は認められていません。
報告された有害事象の多くは消化器系で、重症度は軽度から中等度で収まりました。用量が増えると頻度は上昇しましたが、ほとんどの事例が試験終了時までに解消されています。
また、試験を中止した参加者の大半は治療そのものが原因ではなかったとされています。これらの傾向は、既存のGLP-1やアミリン受容体作動薬の初期試験の結果と一致しています。
ノボ ノルディスクのアミクレチン新データ『The Lancet』に掲載、ADA2025で発表
今回の結果により、ノボ ノルディスクのアミクレチンは注射製剤と経口製剤の両方で高い体重減少効果と良好な忍容性を示しました。
このデータを基に、同社はフェーズ3試験を速やかに進め、肥満治療薬市場での競争力をさらに強化する見込みです。
- ノボ ノルディスクがアミクレチンの最新データを発表
- データは『The Lancet』に掲載されADA2025で公開
- アミクレチンはGLP-1とアミリン作用を併せ持つ新薬候補
- 皮下投与で最大24.3%の体重減少を確認
- 低用量でも用量依存で体重減少効果を示す
- 経口投与でも12週で最大13.1%の体重減少を達成
- プラセボ群と比較し有意な差を示す
- 体重減少の頭打ちは治療期間中に見られず
- 有害事象は主に軽度の消化器症状にとどまる
- 有害事象は用量増加で頻度が高まる傾向
- 治療中止例の多くは治療と無関係の理由による
- 経口製剤もフェーズ2を省略しフェーズ3へ進む予定
- フェーズ3試験は来年早期に開始予定
- アミクレチンは既存薬に対抗する次世代治療薬として期待される
- ノボ ノルディスクの肥満治療分野での競争力強化につながる
参照:
Novo Nordisk’s subcutaneous and oral amycretin data published in The Lancet and presented at ADA 2025|Novo Nordisk プレスリリース
ランセット掲載論文:The Lancet 論文リンク
