ノバルティス、抗C5療法から切り替えたPNH患者におけるFabhaltaの有効性を実証

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パルキソズム性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)は、日常生活に深刻な影響を及ぼす希少な血液疾患です。

これまで、抗C5療法が標準的な治療とされてきましたが、全ての患者が十分な効果を得られていたわけではありません。

こうした課題に対し、ノバルティスは新たな選択肢として経口薬「Fabhalta(イプタコパン)」を提案しています。

本記事は、最新の第IIIb相試験「APPULSE-PNH」に基づき、抗C5治療からFabhaltaへ切り替えた患者の臨床的な変化とその意義について詳しく解説します。

Fabhaltaは抗C5療法からの切り替えにおいて有効性を示した

APPULSE-PNH試験では、抗C5療法(エクリズマブまたはラブリズマブ)を6か月以上継続してきた成人PNH患者が、1日2回の経口Fabhaltaに切り替えられました。

その結果、治療開始から24週間で平均ヘモグロビン値が2.01g/dL上昇し、92.7%の患者が正常またはほぼ正常な値に達しました。

これらの変化は、抗C5療法でも改善しきれなかった貧血症状に対する新たな可能性を示しています。

さらに、試験期間中に輸血が必要となった患者はおらず、治療効果の持続性も確認されました。

治療効果は数値だけにとどまらず、患者の生活の質にも反映されています。具体的には、FACIT-Fatigueスコアに基づく評価で、Fabhalta治療により日常的な疲労感が顕著に軽減され、168日目には健常者と同等レベルに近づいたことが報告されました。

これにより、患者の身体的・精神的負担が軽くなるだけでなく、日常生活の活動量や社会参加の可能性が広がる点も注目されます。

他疾患への応用と今後の展望

FabhaltaはPNH以外にも、IgA腎症やC3腎症といった他の補体関連疾患にも承認されており、補体経路に関する研究の中心的存在となりつつあります。さらに、aHUSやループス腎炎など、他の希少腎疾患に対する臨床研究も進行中です。

これにより、Fabhaltaは今後さらに多くの患者に治療の選択肢を提供する可能性を秘めています。

前述の通り、抗C5療法では一部の患者が依然として貧血状態に悩まされ、輸血が必要なケースも存在していました。こうした現状を踏まえると、Fabhaltaは臨床的有効性・利便性・安全性の面でバランスが取れた新たな標準治療となる可能性があります。

また、既存治療を継続していた患者が対象であることから、実臨床における切り替え戦略にも応用可能です。

Fabhaltaの登場は、PNH治療における重要な転換点となり得ます。高い有効性だけでなく、利便性や安全性においても明確な利点を持つことから、今後の治療戦略における選択肢の一つとして確実に位置づけられるでしょう。

同時に、今後の長期データや実臨床での応用結果にも注目が集まります。

本記事の全文は参照元:「Novartis makes strong case for Fabhalta in patients switching from anti-C5 PNH therapies」|Firstword Pharma を御覧ください。なお一部有料の記事がありますことご了承ください。

ノバルティス、抗C5療法から切り替えたPNH患者におけるFabhaltaの有効性を実証

  • Fabhaltaは抗C5治療からの切り替えでヘモグロビンを平均2.01g/dL改善
  • 患者の92.7%が正常またはほぼ正常なヘモグロビン値を達成
  • 治療中に輸血が必要な患者はゼロだった
  • 疲労感は日常生活レベルまで軽減された
  • 重篤な副作用はなく、過去の試験と一貫した安全性を確認
  • 経口投与により通院負担が軽減される利点がある
  • PNH以外にも複数の補体系疾患に適応拡大中
  • 従来治療の課題を補完する選択肢として臨床的意義が大きい