これから伸びる将来性の高い製薬会社は?時価総額と売上世界ランキング【2024年版】

ランキング

製薬・バイオ分野で25年以上の市場調査経験を持つ運営者が、海外医薬品市場の信頼できる情報をお届けします。 海外ベンダー活用や市場動向の読み解き方、注目の製薬ニュースまで役立つ内容を掲載。メルマガ「1分でわかる製薬ニュース」配信中

前田 静吾をフォローする

製薬会社の将来性に関して、多くの方が関心を持っています。

本記事では海外の調査会社が発表した2028年世界の売り上げランキングトップ10と医薬品売上ランキング、更には株価に基づく時価総額をもとに、以下のような質問にこたえ、将来性の高い製薬会社を解説します。

  • これから伸びる製薬会社はどこですか?
  • 今後成長が期待できる製薬会社を教えてください。
  • 日本国内でこれから伸びる製薬会社は?
  • 世界的に成長が見込まれる製薬会社は?
  • 投資する価値のある製薬会社はどこですか?

製薬業界にとって、業界の未来を見据えた市場動向や競合分析は、戦略を立てるうえで欠かせない要素です。

医薬品開発のスピードや市場ニーズの多様化に伴い、競争環境はこれまで以上に複雑化しています。

その中でも、これから伸びる将来性のある製薬会社を把握することは、自社の強みを生かしながら次の成長機会を見出すための大きなヒントとなるでしょう。

この記事では、2028年の売上予測ランキングや時価総額ランキングを基に、世界の製薬会社の中でも特に成長が期待される企業を徹底分析します。

各社の新薬開発動向、主要な医薬品の市場ポテンシャル、さらには競争優位性を左右する要素について具体的に解説し、業界関係者としての視点で実践的に活用できる情報を提供します。

変化の激しい市場環境において、どのように自社のポジションを強化し、未来の競争を勝ち抜くか。この機会に、業界全体のトレンドと成功企業の戦略を学び、自社のさらなる発展につなげていただければ幸いです。

なお、同タイトルでの改訂版では、最新の時価総額と2030年の世界ランキングで解説をしています。

▶︎ 2025年版「時価総額と世界ランキング」の解説記事はこちら

記事のポイント

  • 2028年に成長が期待される世界の製薬会社とその特徴
  • 製薬会社の売上予測ランキングや時価総額ランキングの動向
  • 注目される医薬品の市場ポテンシャルと成長分野
  • 業界全体のトレンドや競争力を高める戦略のポイント

これから伸びる将来性の高い世界の製薬会社【2028年売上予測ランキング】

新薬開発
  • 2028年の世界の製薬会社売上予測ランキング
  • ロシュ、メルク、アッヴィのトップ3の差はごくわずか
  • 新たにノボ社とイーライリリー社がランキングトップ10入り
  • ファイザーは、コロナ特需からコロナクリフへの対策

世界の製薬会社の将来性を評価する際に、まずは、2028年の売上予測ランキングを用います。

2028年の売上予測ランキングを用いることで、製薬会社の新薬開発能力、製品ポートフォリオの多様化、研究開発力、グローバル展開力、競争力といった将来性を総合的に評価することができます。

今回は世界でも高い評価をされているEvaluate Pharma社の最新の将来予測レポートを基にしています。世界の製薬会社の成長ポテンシャルを具体的かつ実質的に把握することができます。

2028年の世界の製薬会社売上予測ランキング

2028年の製薬会社ランキングに関する情報を表形式で整理したものです。各製薬会社の2028年売上予測、2023年および2022年の売上データを比較しています。

ランキング会社名2028年売上予測2023年売上(順位)2022年売上(順位)
1ロシュ650億ドル672.7億ドル(1位)663.2億ドル(2位)
2メルク640億ドル601.2億ドル(2位)592.8億ドル(3位)
3アッヴィ630億ドル543.2億ドル(5位)580.5億ドル(4位)
4J&J(医薬)600億ドル547.6億ドル(4位)525.6億ドル(5位)
5ファイザー590億ドル585億ドル(3位)1,003.3億ドル(1位)
6ノバルティス580億ドル454.4億ドル(8位)505.5億ドル(6位)
7アストラゼネカ550億ドル458.1億ドル(7位)443.5億ドル(9位)
8サノフィ540億ドル466億ドル(6位)453.5億ドル(8位)
9ノボノルディスク500億ドル336.8億ドル(12位)251.3億ドル(16位)
10イーライリリー480億ドル341.2億ドル(11位)285.4億ドル(12位)
出典:Evaluate Pharma「World Review」を元にInsights4 Pharmaが編集の上作成

ロシュ、メルク、アッヴィのトップ3の差はごくわずか

コンセンサス予測に基づいた2023年の予測では、ロシュが僅差ながら2028年のトップと予測されています

ロシュの抗がん剤テセントリク、多発性硬化症治療薬オクレブス、眼科の治療薬バビースモの評判も高く評価されています。

しかしながら、ロシュに続くメルク、アッヴィらの予測される売上は、630億ドルから650億ドルと20億ドルしか差がありません。

例えば、アッヴィのヒュミラですが、ジェネリック医薬品の浸透度の具合で大きく売上も上下します。このように順位に影響する要素が多くあります。いずれにしてもこの3社の中の1社がトップをとるものと予測しています。

新たにノボ社とイーライリリー社がランキングトップ10入り

  • 新たにトップ10入りする会社:ノボ・ノルディスク、イーライリリー
  • トップ10から去る会社:ブリストル・マイヤーズスクイブ、GSK

ランキングからノボノルディスクファーマとイーライリリーの伸びと将来性が期待されていることがわかります。

同2社が新たにトップ10入りします。23年時点の売上ランキング、ノボは12位、イーライリリーは11位から順位を上げる予測です。

この躍進の原動力となる医薬品が、「持続性GLP-1受容体作動薬」で2型糖尿病と肥満薬です

ノボノルディスクは「オゼンピック」「リベルサス」「ウゴービ」(いずれも同じ成分のセマグルチド)、イーライリリーは「マンジャロ」

どちらも2028年の売上予測が150億ドル以上です。これら肥満効果が期待される糖尿病理跳躍がトップ10入りを支えます。

ファイザーは、コロナ特需からコロナクリフへの対策

2022年に1000億ドル強の売上でランキングトップのファイザーは今回の予測では5位まで順位を下げます。

1000億ドルの記録的な売上も半分以上の売上がコロナ関連の医薬品です。2028年にはコロナの特需は過ぎ去っているものと予想されます。

ファイザーとしては、コロナクリフへの対策を打って入るものの、特需で得たランキングトップの地位は維持は出来ないようです。

なお、21年にコロナ特需でトップ20にまで新たに食い込んだモデルナ社、ビオンテック社ですが、今後数年は順位を上げるどころかコロナクリフへの対応に追われます

これから伸びる将来性の高い世界の製薬会社丨時価総額でみる

  • 世界の製薬会社時価総額ランキング
  • 特筆されるリリーの時価総額の高さ
  • 時価総額2位のノボノルディスクファーマの将来性へ高い期待
  • 3000億ドルを超えるJ&J、アッヴィ、米メルク

時価総額は企業の市場価値を示す重要な指標で、会社の将来性を評価する上で役立ちます。

時価総額が高い企業は、一般的に強力な財務基盤を持ち、研究開発や市場拡大のためのリソースを多く持っている可能性が高く、市場からの信頼も反映しており、将来的な成長性や安定性が高いと見なされます。

ここでは、世界の製薬会社の時価総額のランキングを活用することで将来性に関して解説します。

世界の製薬会社時価総額ランキング

ランク会社名時価総額(億ドル)グローバル売上ランキング(2022年度)
1イーライリリー5,58312
2ノボノルディスク4,58616
3J&J・ヤンセンファーマ3,8245
4メルク2,6913
5アッヴィ2,5524
6ロシュ2,2662
7ノバルティス2,0276
8アストラゼネカ2,0069
9ファイザー1,6531
10アムジェン1,45814
21中外製薬609
22第一三共54325
23武田薬品工業44011
出典:Insights4 Pharma作成:2023年12月6日時点での時価総額 売上ランキングは22年度

特筆されるリリーの時価総額の高さ

イーライリリーの株価は最近さらに上昇しており、24年6月時点で時価総額は7000億ドルを超えています。これは、肥満症薬「ゼップバウンド」や糖尿病薬「マンジャロ」の需要拡大に対する期待が高まっていることが言えます。

イーライリリーは、アルツハイマー病治療薬「ドナネマブ」などの新薬を世界同時開発しており、今後の成長が期待されています。売上でも28年にはトップ10入が期待されています。

なお、イーライリリーは、米国S&P 500種株価指数の構成企業の中でもトップ10に入っています。これは、テスラをも凌いでいます。

なお、現在の世界の製薬会社の時価総額ランキングは以下のリンクからご覧いただけます。

世界の製薬会社時価総額ランキング >>

時価総額2位のノボノルディスクファーマの将来性へ高い期待

ノボノルディスクファーマが時価総額で2位に入っています。

糖尿病治療薬「オゼンピック」と肥満症治療薬「ウゴービ」の需要拡大が追い風となり、業績と株価が過去最高水準を記録しています。

2028年には世界の製薬会社売上ランキングでトップ10入りが予想されていますが、23年度の売上ランキング12位も、2020年以降3年間で100億ドル以上の売上でランキングを大きく上げてきています。

3000億ドルを超えるJ&J、アッヴィ、米メルク

J&J、アッヴィ、メルクの時価総額が3000億ドルを超えています。

それぞれが製品ポートフォリオの多様性、強力な研究開発パイプライン、そしてグローバル市場でのリーダーシップを持っているおり、これらの要因は、企業の安定した成長と競争力を支えていることがからも、投資家からの高い評価を得ています。

2028年の売上予測でもトップ5にはいるランキングが予想されています。

これから伸びる将来性の高い世界の製薬会社丨医薬品の売上予測で探る

  • 2028年の世界の医薬品売上予測ランキングトップ10
  • 2028年の最も売れている医薬品トップはキイトルーダ
  • 肥満治療薬「GLP-1製剤」の躍進
  • HPVワクチンの後進国での需要への対応

製薬会社にとって、大きな売上を上げる競争力の高い医薬品を自社で持つことは非常に重要です。

世界の製薬会社の将来性の評価に、2028年の売上予測のトップランキングの医薬品とその医薬品をもつ製薬会社をみることは有効です。

2028年の医薬品売上ランキングを用いることで、製薬会社の新薬開発能力、ポートフォリオの多様化、研究開発力、グローバル展開力、競争力といった将来性を総合的に評価することができます。より具体的で実質的な企業の成長ポテンシャルを明らかにします。

2028年の世界の医薬品売上予測ランキングトップ10

以下は、医薬品ごとの2028年売上予測、製薬会社、疾患領域、および2022年時点の売上データを表にまとめたものです。

医薬品名順位2028年売上予測(億ドル)製薬会社疾患・領域2022年順位2022年売上(億ドル)
キイトルーダ (Keytruda)1309メルクオンコロジー(がん治療)3238
デュピクセント (Dupixent)2190サノフィアトピー性皮膚炎10100
オゼンピック (Ozempic)3180ノボノルディスク2型糖尿病ランク外87
マンジャロ (Mounjaro)4170イーライリリー2型糖尿病ランク外
ダラザレックス (Darzalex)5165J&J多発性骨髄腫ランク外79
オプジーボ (Opdivo)6157BMS、小野薬品オンコロジー(がん治療)ランク外99
スキリージ (Skyrizi)7150アッヴィ乾癬ランク外13
ビクテグラビル (Biktarvy)8120ギリアド・サイエンシズHIV8134
ガーダシル (Gardasil)9100メルク、CSLHPVワクチンランク外60
トライカフタ (Trikafta)1095バーテックス嚢胞性線維症治療薬ランク外60
GLP-1受容体作動薬セマグルチド参考値330ノボノルディスク2型糖尿病、肥満オゼンピックを含む
出典:アンサーズニュースStatistia Projected best selling pharmaceutical drugs worldwide in 2022Evaluate Pharma ノボノルディスク社HP

2028年の最も売れている医薬品トップはキイトルーダ

2028年、キイトルーダの売上予測が、300億ドルの大台に達するとEvaluate Pharmaは予想しています。売上高200億ドルを達成する治療薬すら他にないダントツのトップです。

同じがん免疫療法のオプジーボの売上予測は157億ドルと2028年もランキング6位ですが、売上規模ではキイトルーダに大きく引き離されます。

さらに、このキイトルーダの売上には、皮下注製剤は含まれていません。皮下注製剤は現在フェーズ3試験中で、承認された場合には、2028年の売上高は24億ドル増えると予測されています。

ちなみに、2022年の世界の医薬品の売上では、キイトルーダは3位にランクインしています。

肥満治療薬「GLP-1製剤」の躍進

2023年時点でも大きな躍進を遂げているGLP-1製剤がさらに市場での存在感を増します。

GLP-1製剤は、2型糖尿病と肥満の治療薬ですでに承認されています。

イーライリリーのマンジャロ売上予測は170億ドルに今後も急成長します。

ノボノルディスクのGLP-1製剤3剤「オゼンピック」「リベルサス」「ウゴービ」(同じ成分のセマグルチド)の売上予測は合計で330億ドルの売上が予想されています。この金額はキイトルーダを凌ぎます。

HPVワクチンの後進国での需要への対応

2006年に子宮頸がんワクチンとして承認されたメルクのガーダシルが2028年に9位の売上が見込まれています。

ガーダシルは20年以上市場で接種されているHPVワクチンであるが、最近は、途上国でのHPVワクチンへの需要の高まりから、売上が増加しています

これから伸びる製薬会社、売上予測・時価総額・医薬品売上予測まとめ

  • 2028年の売上予測ランキングをもとに製薬会社の将来性を評価する方法
  • 新薬開発能力と製品ポートフォリオの多様性が製薬会社の成長に重要である
  • 予測ランキングではロシュが2028年の売上トップと予想されている
  • メルクやアッヴィもロシュと僅差で成長が期待される
  • イーライリリーとノボノルディスクがトップ10入りし注目される
  • 糖尿病と肥満治療薬「GLP-1製剤」の市場拡大が成長を支えている
  • コロナ特需の終了がファイザーの売上減少に影響している
  • 株価に基づく時価総額も将来性評価に有用である
  • イーライリリーの時価総額が7000億ドルを超え注目される
  • ノボノルディスクは時価総額2位に位置し、成長が期待される
  • J&J、アッヴィ、メルクも時価総額3000億ドル超えで安定した成長を示す
  • 2028年の医薬品売上予測トップはキイトルーダとされる
  • GLP-1製剤は肥満治療分野で売上増加が見込まれている
  • HPVワクチン「ガーダシル」の売上が途上国で増加している
  • 製薬会社の成長には大型医薬品の保有が重要である

海外の市場調査のデータやランキング情報も活用し、世界の製薬会社の将来性を解説しました。

2028年の医薬品の売上予測のランキング、10位のトライカフタが95億ドルと現在の交換レート(1ドル約150円)で、1兆円を大きく超えます。

2022年時点でもすでにそうですが、世界の医薬品の売上ランキング、100億ドルを超える医薬品が数多くあります。

もはや、一つの医薬品で100億ドルを超えないと世界のトップ10ランキングには食い込めない市場になってきています。

2028年には、ロシュ、アッヴィ、メルクが上位3社を占めると予想されます。

それぞれがやはり大型の医薬品を持ち、現時点の予測の差が20億ドル内という僅差、現時点ではロシュが1位ですが、入れ替わりは十分にありそうです。今後5年間の動向も含めて興味が湧きます。

新たにランクインする2社にも注目です。

9位と10位にランクインするノボノルディスクファーマとイーライリリーですが、今後5年間で大きく売上を伸ばす肥満治療薬が牽引します。特許切れもまだ先ですので、まだまだ成長が見込まれます。両社は、2024年時点での時価総額ランキングでは、リリーがトップ、ノボノルディスクファーマが2位と、将来のトップ3の製薬会社をもしのぎ、将来性も期待されています。

製薬・医薬品業界のランキングおすすめ記事
【2024年版】世界の製薬会社ランキング|ロシュ売上首位に返り咲き、コロナ後の製薬業界の変化
これから伸びる将来性の高い世界の製薬会社は?時価総額と売上予測ランキングから徹底分析
製薬会社どこがいい?日本と世界の医薬品業界ランキング情報のまとめ
その市場調査失敗できない!専門家に【無料で】相談!

市場調査の専門家にまずは相談!

■ 予算・期間・業者が決まらない
■ 市場調査レポートがみつからない
■ 提案書の依頼書がうまくか書けない
■ レポート・調査の値段交渉してほしい

25年の実績がある専門家がレポートします

ランキング