2025年6月26日、バルセロナで開催される欧州臨床腫瘍学会(ESMO)消化器がん会議において、膵臓がんに対する新たな治療薬「Certepetide(サーテペチド)」の有望な臨床試験結果が発表される予定です。
このデータは、オーストラリアおよびニュージーランドの複数施設で実施された第2b相試験「ASCEND」から得られたもので、進行性膵管腺がん(mPDAC)患者における治療効果が示唆されています。
今回の発表では、標準治療との併用によって、Certepetideが病状の進行を抑え、生存期間を延ばす可能性があることが報告されています。
膵臓がんに対する「Certepetide」の有望な治験結果がESMOで発表

- Cohort Bで示された臨床的有効性
- Certepetideの作用機序と安全性
- 今後の展望と臨床への影響
Cohort Bで示された臨床的有効性
Certepetideの治験結果は、がん研究の現場において注目に値する内容となりました。特に今回発表された「Cohort B」のデータは、従来の標準治療にCertepetideを追加投与することで、膵臓がん患者の進行抑制と反応率の改善が期待できることを示しています。
6か月無増悪生存率(6MPFS)は、Certepetide群で60.8%、プラセボ群では25%という結果が得られました。
また、無増悪生存期間(mPFS)も、Certepetide群では7.5か月と、プラセボ群の4.7か月を大きく上回っています。さらに、客観的奏効率(ORR)は、Certepetide群が45.2%、プラセボ群が19%という差が見られました。
こうした結果から、Certepetideは標準治療の効果を高める新たな補助治療として有望であることが明らかになってきています。
Certepetideの作用機序と安全性
Certepetideは、腫瘍特異的な取り込み経路を活性化させることで、他の抗がん剤の腫瘍内への浸透性を高める働きがあります。
この作用により、化学療法薬の効率的な送達が可能となり、腫瘍組織内での薬剤濃度を向上させることが期待されます。
また、Certepetideは、免疫療法の効果を高める作用も報告されており、腫瘍微小環境を変化させる可能性も示唆されています。これにより、より幅広い治療法との併用が検討されつつあります。
安全性についても注目されています。これまでの臨床試験では、Certepetideは良好な忍容性を示しており、副作用も重篤なものは少なく、患者にとって負担の少ない治療であることが確認されています。
今後の展望と臨床への影響
Cohort AおよびBのデータを比較すると、2回投与されたCohort Bの方が、無増悪生存期間や奏効率といった主要な指標においてより良い結果を示しています。
このことから、Certepetideの投与スケジュールの最適化が、今後の治療戦略における重要な課題となると考えられます。
Lisata Therapeuticsは、今後もさまざまな固形がんに対する適応拡大を視野に入れ、Certepetideの開発を加速させる意向を示しています。
最終的な全データは年内に発表される予定であり、その内容によっては、膵臓がん治療の標準プロトコルが見直される可能性もあります。
膵臓がんは、世界的に見ても生存率が極めて低いがんの一つであり、日本を含めた多くの国で新しい治療法が強く求められています。
膵臓がんに対する「Certepetide」の有望な治験結果がESMOで発表へ
CertepetideのASCEND試験における成果は、膵臓がんという治療困難ながんに対して新たな突破口を開く可能性を示しました。今後のさらなるデータ解析と追加試験によって、その位置づけがより明確になると考えられます。
- Certepetideは進行膵臓がん治療において有望な新薬候補とされている
- Cohort Bの結果では、病状の進行抑制や奏効率の向上が確認された
- 安全性も高く、副作用のリスクが低い点が評価されている
- 今後の追加データと検証により、治療現場への応用が期待される
- 現時点では研究段階にあり、今後の発表が注目される
参照文献
Positive Preliminary Cohort B Results from the AGITG-led ASCEND Trial to be Presented at ESMO GI Evaluating Lisata’s Certepetide in Combination with Standard-of-Care Chemotherapy in Metastatic Pancreatic Cancer|Lisata Therapeutics / GlobeNewswire(2025年6月26日公開)
