Novartisは、LDLコレステロールを下げる注射薬Leqvio®(inclisiran)について、米食品医薬品局(FDA)から新たな適応拡大の承認を取得しました。
これにより、従来必要だったスタチンとの併用なしに、食事療法や運動と組み合わせるだけで、Leqvio単体での使用が可能となりました。
この変更は、より多くの患者が早期に治療を開始できる道を開き、心血管疾患の予防において新たな選択肢となる可能性を秘めています。
なお、このラベル変更はFDAが臨床データに基づき自ら要請したものであり、同庁の期待が込められた承認である点にも注目が集まっています。
さらに、Novartisは今回の適応拡大によって2025年内にLeqvioの売上が10億ドルを超えるとの見込みを示しており、商業的にも重要な転機とされています。
記事のポイント
- Leqvioがスタチン非併用での使用をFDAから承認
- LDL-C管理の第一選択肢としての地位を確立しつつある
- 年2回の注射による利便性が治療継続をサポート
- ガイドラインとの整合性により医療現場でも使いやすさが向上
- 過敏症や副作用には注意が必要で、使用前に医師との相談が必要
LDLコレステロール治療におけるLeqvioの新たな役割

- LeqvioがFDAによりスタチン非併用の単独使用で承認
- 新適応が心血管疾患予防戦略に与える影響
- 今後の普及と課題の展望
Leqvioがスタチン不要で使用可能に
今回FDAが承認した新たな適応拡大により、Leqvioはスタチンを併用せず、単体で使用できる薬剤となりました。この承認は、LDLコレステロールを効果的に下げるPCSK9標的治療としてのデータに基づいています。
従来は、Leqvioを使用するには最大量のスタチン治療が前提とされていました。しかし、今回の変更により、スタチンの使用が難しい患者や副作用に悩む人でも、治療の選択肢が広がることになります。
これは、2025年に発表された米国心臓病学会(ACC)および米国心臓協会(AHA)による新しいガイドラインとも整合性が取れた動きです。
ガイドラインは、より積極的なLDL-C管理が求められる患者に対して、初期段階からの効果的なアプローチを推奨しています。
患者の治療継続を後押しする投与方法
Leqvioは、年2回の皮下注射という特異な投与スケジュールを持ちます。初回と3か月後の投与で効果が持続し、その後は6か月ごとの投与で管理が可能です。
こうした低頻度の投与設計は、患者の服薬アドヒアランス(治療継続率)を向上させる要因となり得ます。心血管疾患のリスクを抱える多くの患者が、日々の薬の飲み忘れや治療離脱によって目標値に達していないというデータもあります。
この点において、Leqvioは治療継続と長期的な効果の両立を図る上で、特に実用的な治療手段として注目されています。
より明確になった適応範囲と注意点
新たな適応では、これまでラベル上で使われていた「原発性脂質異常症」という表現が「高コレステロール血症」に置き換えられました。これにより、臨床現場での適応判断がより分かりやすくなることが期待されます。
ただし、すべての患者に適しているわけではありません。Leqvioによる過敏反応歴がある人は使用できず、副作用として注射部位の痛みや関節痛、気管支炎なども報告されています。導入時には、医師による十分な説明と副作用の管理が欠かせません。
Leqvioに関するよくある質問
Q1:Leqvioとは何の薬で、どんな特徴がありますか?
A:Leqvio®(inclisiran)は、LDLコレステロールを下げる注射型の治療薬で、Novartisが開発・販売しています。
PCSK9というたんぱく質の生成を抑えることで、血中のLDL-Cを効果的に下げる作用があります。年2回の皮下注射で治療を継続できるため、服薬の継続が難しい患者にも対応しやすいという特長があります。
Q2:今回のFDA承認でLeqvioの使い方はどう変わったのですか?
A:スタチンを併用しなくても、Leqvio単独で使用できるようになりました。
これまではスタチンを併用して最大限使用している患者が対象でしたが、今回の承認により、スタチンが使えない人や、スタチンで十分な効果が出ない人にも利用可能となりました。また、「原発性脂質異常症」という用語が「高コレステロール血症」に改められ、診療現場での判断もしやすくなっています。
Q3:NovartisはLeqvioをどのように位置づけているのですか?
A:NovartisはLeqvioを心血管疾患予防の主力製品と見なしており、グローバルでの成長を期待しています。
今回の適応拡大により、治療の早期段階からより多くの患者に投与できるようになったことで、年間売上10億ドル超を見込んでいます。今後もxRNAプラットフォームなどを通じて、心臓病領域の革新的治療を拡大する計画です。
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まとめ:NovartisのLeqvioが米国で初の単独療法としてFDA承認
- Leqvioがスタチン併用不要の単独療法としてFDA承認された
- PCSK9標的療法としての有効性が認められた
- 年2回の注射で高い治療継続率が期待できる
- LDL-C管理の初期段階から使用可能となった
- 2025年の新ガイドラインと整合している
- 対象疾患表現が「高コレステロール血症」に統一された
- 治療アドヒアランス向上に貢献し得る
- 適応拡大によりより広範な患者に使用可能となった
- 副作用には注射部位の反応や気道系症状などがある
- 医療現場での実用性が今後の普及に影響する見込み
