定性調査とは?言い換え・英語表記と活用事例
定義:定性調査(英語:Qualitative Research、言い換え:質的調査/探索的調査)とは、アンケートなどの数値データを扱う定量調査とは異なり、言葉・感情・行動・文脈といった質的な情報を収集し、対象者の深層心理や意思決定の背景を理解する調査手法で、マーケティングや製薬会社を含む企業の意思決定に不可欠な調査手法です
類義語・関連表現
- 言い換え:質的調査、探索的調査、クオリテイティブ・リサーチ
- 英語表記:Qualitative Research
市場調査での使われ方
ビジネスにおいて、定性調査を活用した市場調査を通じて、以下のような課題解決の際に活用されます。
- 新商品のコンセプト設計・評価
- ブランドの価値やポジショニング理解
- ユーザー体験(UX)の改善
- マーケティング戦略策定時の仮説構築
- 専門家(例:KOL)など限られた対象者からの深い洞察獲得
なお、製薬業界では、医師の処方意図の背景、患者が抱える疾患への思い(ペイシェントジャーニー)、未充足の医療ニーズ(アンメットメディカルニーズ)などを深く理解するために活用されます。
市場調査における実務での活用事例
例:消費財メーカーがスキンケア商品のコンセプト設計を行う際、定性調査を実施し「使用シーン・使い心地・感情の変化」などを深掘り。これにより、数値だけでは見えなかった「自己肯定感を高めたい」というニーズが浮上し、マーケティング訴求ポイントの見直しにつながった。
製薬業界では、オンコロジー領域の新薬開発において、KOLへの定性インタビューを通じて「通いや注射の手間」「治療のライフスタイルへの影響」といった未満たされしニーズ(アンメットメディカルニーズ)を明らかにし、上市戦略の差別化要素として活用された事例があります。
市場調査が定性調査を通じて、新薬開発のコンセプト評価や、特定の疾患領域におけるKOL(キーオピニオンリーダー)のインサイトを抽出していますが、弊社ではそのような市場調査での情報活用の支援をしています。
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定性調査と定量調査の違い・比較
定性調査と定量調査は市場調査における代表的な手法ですが、「どちらを使えばよいのか」「何が違うのか」で迷う方も多いです。
以下では、目的・取得データ・手法・サンプル数・分析方法といった観点で両者を比較し、一目で違いがわかるように整理しました。「定性調査の完全ガイド|目的・種類・やり方・分析手法」を参照しています。
| 比較項目 | 定性調査 | 定量調査 |
| 主な目的 | 仮説の発見・構築、原因・背景の深掘り | 仮説の検証、実態・傾向の把握 |
| 取得するデータ | 言葉・行動・感情など質的な情報 | 数値・数量(〜%、〜個など) |
| 主な手法 | デプスインタビュー、グループインタビュー、行動観察調査 | Webアンケート、会場調査、電話調査 |
| サンプル数 | 少数(数人〜十数人規模) | 多数(数百人〜数千人規模) |
| 分析方法 | 発言や文脈の解釈、行動の観察・分析 | 統計解析(クロス集計など) |
代表的な定性調査の種類・手法
定性調査には複数のアプローチがあります。以下に代表的な手法を目的・対象人数・特徴とともに整理しました。以下は別記事「定性調査の種類を徹底解説と比較!」で説明されている「定性調査の代表的な種類・手法」です。
| 調査手法 | 主な目的 | 対象人数(目安) | 特徴 |
| グループインタビュー | アイデアの創出、多様な意見の収集 | 4~6名 | 参加者同士の相互作用による意見の活性化 |
| デプスインタビュー | 個人の深層心理の理解、意思決定プロセスの解明 | 1名 | 1対1での対話による深い情報収集 |
| 行動観察調査 (エスノグラフィ) | 無意識の行動や潜在ニーズの発見 | 1名~数名 | 実際の生活環境での行動を直接観察 |
| ワークショップ | アイデアの共創、課題解決策の具体化 | 複数名 | 参加者が主体的に作業を行う体験型調査 |
| KOLインタビュー | 特定分野の専門家(Key Opinion Leader)に行うインタビュー。 | 1名 | 消費者では得られない専門的・客観的な知見や、業界の将来展望などを得たい場合(例:医療機器開発) |
| 家庭訪問調査 | 対象者の自宅を訪問し、実際の生活環境の中で観察や対話を行う手法。 | 1名 | 製品が実際にどのように使われているかを生活文脈の中で理解したい場合(例:キッチン家電の利用実態把握) |
| MROC | オンライン上のコミュニティで、対象者と一定期間、継続的に交流する手法 | 1グループあたり20〜30人 | 時間経過による意識の変化や、コミュニティ内での意見形成など、長期的・継続的なインサイトを捉えたい場合 |
FAQ:定性調査に関するよくある質問
- Q定性調査と定量調査の違いは何ですか?
- A
定性調査は「なぜそう思うのか」「どのように行動するのか」といった背景や心理を深く理解するための調査で、言葉・感情・行動など数値化できない情報を扱います。
一方、定量調査は「どれくらいの割合か」「平均はどれくらいか」といった数量的な把握を目的とし、統計的に処理できる数値データを集めます。
- Q定性調査ではサンプル数が少なくても大丈夫ですか?
- A
はい。定性調査は統計的な代表性を求めるものではなく、深い洞察や仮説の発見が目的です。少人数でも、1人あたりから得られる情報が豊かであれば十分に意味があります。
- Q定性調査の結果はどのように活用すればいいですか?
- A
主に「新しい仮説やインサイトの発見」「ユーザー理解の深化」「製品やサービス改善の方向性検討」に役立ちます。その後、必要に応じて定量調査で裏付けを取ると、戦略や意思決定に活かしやすくなります。
- Q定性調査のメリットは何ですか?
- A
言葉・感情・行動などを深く理解でき、数値だけでは見えない潜在ニーズや背景を把握できる点がメリットです。新しい仮説の発見やユーザー理解の深化につながります。
- Q定性調査のデメリットは何ですか?
- A
サンプル数が少ないため統計的な代表性を持ちにくく、調査や分析に時間とコストがかかる点がデメリットです。一般的には定量調査と組み合わせて活用されます。
- Q定性調査は英語でどう表記しますか?
- A
定性調査は英語で「Qualitative Research」と表記します。日本語では「質的調査」「探索的調査」と言い換えられることもあります。
関連用語
- 定量調査
- デプスインタビュー
- グループインタビュー
- エスノグラフィー
- オープンクエスチョン
- 誘導尋問
- 仮説の検証
- KOLインタビュー
- MROC
- リクルーティング
- 理論的飽和
- サンプル数
信頼できる情報源と関連リソース
公的なリソースや自社まとめページをご紹介します。
より体系的に「目的・種類・分析・レポート作成」までを学びたい方には、 別途記事 「完全ガイド 定性調査活用ガイド」を最初の一歩としてご利用ください。この記事では、以下のような基礎から実践まで市場調査業界25年の経験者が記事としてまとめています。
- 定性調査の基礎知識と、定量調査との違い・戦略的使い分け
- 代表的な手法(デプスインタビュー、グループインタビュー、行動観察調査など)とそれぞれの特徴
- サンプル数の目安と「情報の飽和」の考え方
- 調査企画 → 質問設計 → インタビュー実施 → 分析 → レポーティングまでの実践プロセス
- よくある失敗とその改善策
定性調査とは?言い換え・英語表記と活用事例まとめ
定性調査(英語:Qualitative Research、言い換え:質的調査/探索的調査)は、数値データを扱う定量調査とは異なり、言葉や感情、行動といった質的情報を深掘りして「なぜ・どのように」を理解する調査手法です。
新商品のコンセプト設計やブランド理解、UX改善、製薬業界におけるKOLインタビューなど、多様な場面で活用されています。
少人数のサンプルからでも豊かなインサイトを得られる点が特徴であり、定量調査と組み合わせることで戦略立案や意思決定をより強固にすることができます。
定性調査を正しく理解し活用することは、市場調査やマーケティングにおける競争力強化に直結します。
