FDA、次世代ROS1阻害薬「イブトロジ」をROS1陽性NSCLCに承認 ─ ESMOでの好成績受け

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アメリカ食品医薬品局(FDA)は、Nuvation Bioが開発した経口型の次世代ROS1チロシンキナーゼ阻害薬「イブトロジ(一般名:タレトレクチニブ)」を、ROS1陽性の非小細胞肺がん(NSCLC)に対して承認しました。

この決定は、昨年の欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で報告された有望な臨床試験データに基づいており、脳転移を含む難治性のがんへの新たな治療選択肢として注目されています。

記事のポイント

・FDAがROS1陽性NSCLCに対してイブトロジを承認
・承認は優先審査を経て実現
・ESMOで報告された第II相試験の高い奏効率が評価
・脳転移への効果も高く、73%の奏効率を示す
・前治療歴のある患者でも一定の有効性を確認
・Sagardから1億5000万ドルの資金を調達

イブトロジの特長と臨床データ

イブトロジは、ROS1陽性の局所進行または転移性NSCLCを対象とする新薬であり、脳への浸透性に優れた特性を持っています。これは、これまでのROS1阻害薬では対応が難しかった脳転移にも対応できる可能性を示唆しています。

実際、2つの第II相試験(TRUST-1およびTRUST-2)では、ROS1 TKI未治療の患者に対して、それぞれ90%と85%の全奏効率(ORR)が確認されました。すでにROS1阻害薬による治療歴がある患者でも、52%および62%の奏効率が得られました。

さらに、脳転移を有する患者においても良好な結果が示されました。ROS1阻害薬未使用の患者のうち、73%が脳内奏効を達成しており、前治療歴のある患者でも63%に奏効が認められました。これにより、脳転移に対する新たなアプローチとして期待されています。

商業化と患者支援の動き

この承認に伴い、資産運用会社のSagard Healthcare Partnersから1億5000万ドルの資金がNuvationに支払われます。見返りとして、同社は年間売上600百万ドルまで5.5%、それを超えて10億ドルまで3%のロイヤリティを受け取る契約です。

得られた資金は、イブトロジの商業展開と患者支援プログラム「NuvationConnect」の開始に充てられる予定です。このプログラムは、処方された患者が安心して治療に取り組めるようにサポートする仕組みです。

本記事の全文は以下の参照元をご利用ください(一部有料会員のみの記事もあります):「FDA clears Nuvation’s next-gen TKI for NSCLC after strong ESMO showing」|Firstword Pharma