デプスインタビューの料金と費用、謝礼の全て|業界25年のプロが解説

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市場調査やマーケティングリサーチの一環としてデプスインタビューを検討する際、多くの方がその費用について具体的なイメージを持てずに悩むのではないでしょうか。

一体、デプスインタビューとはどのような調査で、料金の相場はどのくらいなのか。

また、自社で実施する場合のやり方と、専門の調査会社へ外注する際のメリットや理由はどう違うのか。

この記事では、インタビューの依頼を考える上で知っておきたい料金体系のすべてを網羅的に解説します。

全体の費用はもちろん、具体的な料金表の項目、対象者へ支払う謝礼の渡し方、大手調査会社の調査費用や、定量調査であるアンケートの費用相場との比較まで、あらゆる角度から深掘りしていきます。

適切な予算を組み、納得のいくインタビュー調査を実現するための一助となれば幸いです。

記事のポイント

  • デプスインタビューの料金相場と費用の全体像
  • 料金を構成する具体的な内訳と各項目の目安
  • 自社実施と調査会社への外注、それぞれのコスト
  • 対象者へ支払う謝礼額の決め方と渡し方の注意点

デプスインタビューの料金・費用・謝礼の全体像

デプスインタビューの料金・費用・謝礼の全体像
Insights4 Pharma イメージ「デプスインタビューの料金・費用・謝礼の全体像」
  • 費用の前に|デプスインタビューの基本と目的
  • 気になる料金相場と費用の目安
  • 【費用内訳】料金に含まれる項目を解説
  • 謝礼の相場はいくら?渡し方の注意点
  • 市場調査やマーケティングリサーチでの位置づけ

費用の前に|デプスインタビューの基本と目的

デプスインタビューの具体的な料金体系を把握する前に、この調査手法がどのような特性を持ち、どのような目的で利用されるのかを理解しておくことが非常に大切です。

デプスインタビューは、調査対象者とインタビュアーが1対1の形式で深く対話を行う「定性調査」と呼ばれる手法の一つです。

一般的なアンケート調査が「何人が『はい』と答えたか」といった量的なデータを集計することを目的とするのに対し、デプスインタビューでは「なぜ『はい』と答えたのか」という個人の深層心理や行動の背景、価値観を探ることに主眼が置われます。

通常、一人の対象者に対して60分から90分、場合によってはそれ以上の時間をかけて、事前に用意された質問だけでなく、会話の流れに応じて柔軟に質問を掘り下げていくのが大きな特徴です。

デプスインタビューで得られる情報

この手法を通じて、企業側がこれまで想定していなかったような潜在的なニーズ(インサイト)や、商品やサービスを購入するに至るまでの複雑な意思決定プロセス、ブランドに対して抱いている本音のイメージなどを明らかにできます。

そのため、デプスインタビューは特に以下のような場面でその真価を発揮します。

  • 新規事業開発の初期段階: ターゲットとなる顧客が日常生活で抱える悩みや、まだ満たされていない欲求を発見し、新しい商品やサービスのアイデアの種を見つけ出す。
  • 既存サービスの改善: ユーザーがどのような状況で、どのようにサービスを利用し、その際に何を感じているのかを詳細に把握し、具体的な改善点を探る。
  • ペルソナ・カスタマージャーニーマップの精度向上: ターゲット顧客の人物像(ペルソナ)や、商品認知から購入に至るまでの行動・思考・感情の変遷(カスタマージャーニー)を、よりリアルで血の通ったものにする。

このように、1対1でじっくりと時間をかけるからこそ、他の調査手法では得られない「質」の高い情報を得られる点が、デプスインタビューの本質的な価値です。

そして、この専門性と手間のかかるプロセスこそが、その料金が設定される根拠となっています。

気になる料金相場と費用の目安

デプスインタビューを外部の専門調査会社に依頼する場合、その費用は調査の規模や対象者の条件によって大きく変動します。

一概に「いくら」と言い切ることは難しいですが、全体としては数十万円から、大規模なプロジェクトや特殊な条件が加わる場合には数百万円に及ぶことも珍しくありません。

一つの目安として、ごく一般的なデプスインタビュー(対象者6名程度)を、調査の企画段階から最終的なレポート作成まで一貫して依頼した場合、総額で80万円~200万円程度が相場と考えられます。

この費用の幅は、主に以下の二つの要素によって大きく左右されます。

1. リクルーティングの難易度

調査対象者を探し出し、参加を依頼する「リクルーティング」の難易度は、費用を決定する最も大きな要因の一つです。

  • 難易度(低): 一般的な消費者(例:20代女性、首都圏在住など)を対象とする場合。比較的探しやすいため、リクルーティング費用は抑えられます。
  • 難易度(高): 医師や弁護士といった国家資格を持つ専門職、企業の役員クラス、特定の希少な疾患を持つ患者さんなど、条件が厳しく、母数が少ない対象者を探す場合。また海外の専門家が対象になる場合は、時間と手間と英語での対応が必要であることもあり、リクルーティング費用は高騰します。

2. 納品物の内容と分析の深度

調査結果をどのような形で受け取るかによっても、費用は大きく変わります。

  • 簡易な納品物: インタビューの発言をそのまま文字に起こした「発言録」のみを納品物とする場合。比較的安価です。
  • 詳細な納品物: 発言録に加え、そこからインサイトを抽出し、考察や今後の戦略的な提言まで含んだ詳細な「分析レポート」を作成する場合。専門的な分析作業が必要となるため、レポーティング料は高額になります。

このほか、インタビューをオンラインで実施するか、専門の会場を借りて対面で実施するかによっても費用は変動します。

オンライン形式は会場費が不要になるため、コストを抑える一つの手段となります。

まずは自社が求める調査の目的と品質を明確にし、複数の調査会社から見積もりを取得して比較検討することが、適正な費用を把握する上で不可欠です。

【費用内訳】料金に含まれる項目を解説

デプスインタビューの見積もりは、複数の専門的な作業項目から成り立っています。調査会社から提示される料金表を正しく理解し、他社との比較を適切に行うために、それぞれの項目がどのような作業を指し、なぜその費用が発生するのかを知っておきましょう。

以下に、一般的な費用の内訳と各項目の役割、そして料金の目安を解説します。

費用項目内容料金目安(1調査あたり)
基本料金(企画・設計費)調査目的のヒアリング、課題整理、インタビュー全体の企画、質問項目をまとめたインタビューフローの作成など、調査の土台を作るための費用です。5万円 ~ 15万円
リクルーティング料調査対象者の条件定義、募集、スクリーニングアンケートの実施、条件合致者の選定、参加依頼など、対象者を集めるための費用です。1名あたり 1万円 ~ 2万円
対象者への謝礼インタビューに協力してくれた対象者に支払うお礼です。時間や専門性に応じて金額が変動します。1名あたり 8,000円 ~ 3万円
実査費(モデレーター費)実際にインタビューを実施するインタビュアー(モデレーター)の人件費です。専門的なスキルが求められるため、経験豊富な人材が担当します。1名あたり 5万円 ~ 10万円
会場使用料(対面の場合)インタビューを実施する専門の会場(インタビュールーム)をレンタルする費用です。マジックミラー付きの部屋など、設備によって料金が変わります。1時間あたり 2万円 ~ 4万円
レポーティング料インタビュー内容の文字起こし、データ分析、考察、レポート作成にかかる費用です。納品物のボリュームや分析の深度によって大きく変動します。5万円 ~ 30万円以上
Insights4 Pharma 調べ「【費用内訳】料金に含まれる項目」

これらの項目を合算したものが、調査の総額費用となります。

見積もりを取得する際には、自社が依頼したい業務範囲がどこまでで、どの項目が含まれているのかを詳細に確認することが、後々の認識の齟齬を防ぎ、予算管理を正確に行う上で非常に大切です。

なお、見積もりの内容は調査会社により

謝礼の相場はいくら?渡し方の注意点

デプスインタビューにおいて、調査対象者へ支払う謝礼は、協力を得るための重要なインセンティブであり、調査の品質を左右する要素の一つです。

謝礼が低すぎると条件に合う対象者が集まりにくくなり、最悪の場合、調査自体が成り立たなくなる可能性もあります。

謝礼の金額相場

謝礼の金額は、主に対象者の属性(専門性や希少性)と、インタビューにかかる拘束時間によって決まるのが一般的です。

  • 一般的な消費者・ユーザーの場合:
    • 60分:8,000円 ~ 10,000円
    • 90分:12,000円 ~ 15,000円
  • 国内外の専門職(医師、弁護士など)や経営層の場合:
    • 60分~90分:30,000円 ~ 100,000円、またはそれ以上

専門性が高く、日常的に多忙でスケジュール調整が難しい対象者ほど、その方の時間的価値(機会費用)を考慮して謝礼は高額になる傾向があります。

対象者は貴重な時間と情報を提供してくれるわけですから、その対価として適切な金額を設定することが、調査への真摯な協力を促し、結果として得られる情報の質を高める上でも大切です。

謝礼の渡し方と注意点

謝礼の渡し方にはいくつかの方法があり、それぞれにメリットと注意点が存在します。調査の形式(対面かオンラインか)によっても最適な方法は異なります。

  • 現金手渡し: 対面インタビューで最も一般的な方法です。インタビュー終了後に、感謝の言葉とともに清潔な封筒に入れて直接手渡します。経費精算のために、対象者に領収書を記入してもらうのが丁寧な進め方です。
  • デジタルギフト: Amazonギフト券や各種ポイントなどに交換できるデジタルコードを、後日メールなどで送付する方法です。オンラインインタビューで多用され、現金送付のリスクがなく、振込手数料もかからないため管理が容易というメリットがあります。
  • 銀行振込: 後日、対象者から教えてもらった指定の口座に振り込む方法です。個人情報である口座情報を取得する必要があり、管理に手間がかかるほか、振込手数料が発生します。

調査会社にリクルーティングを依頼した場合は、謝礼の準備や支払いも調査会社側の料金に含まれることがほとんどです。

その際、謝礼の実費と合わせて手配手数料が請求されることもありますので、見積もりで確認しておくと良いでしょう。なお、調査会社は各個々人の人への支払い金額は通常開示しない場合が多いことをも踏まえておきましょう。

市場調査やマーケティングリサーチでの位置づけ

デプスインタビューは、数多く存在する市場調査やマーケティングリサーチの手法の中で、「質的調査(定性調査)」というカテゴリーに分類されます。

これは、数値データを用いて市場の全体像や傾向を把握する「量的調査(定量調査)」と対をなすアプローチです。

量的調査の代表格であるアンケート調査が、事前に立てた仮説を「検証」するために用いられることが多いのに対し、デプスインタビューは、その仮説自体を「発見」したり、より深く「理解」したりするために活用されるのが特徴です。

例えば、アンケート調査によって「新商品の購入意向が低い」という数値結果(What)が出たとします。その際に、「なぜ購入意向が低いのか?」という理由や背景(Why)を深く探るためにデプスインタビューが実施される、という関係性です。

デプスインタビューが有効なフェーズ

この特性から、デプスインタビューはマーケティングプロセスの特定のフェーズで特に強力な武器となります。

  • 商品開発の初期段階: ターゲット顧客自身もまだ言葉にできていないような潜在的な悩みや満たされていないニーズ(インサイト)を発見する。
  • コンセプト評価: 開発した商品やサービスのコンセプトが、ターゲットの価値観やライフスタイルに本当に響くのか、その理由を含めて確かめる。
  • 既存サービスの利用実態把握: ユーザーがどのような状況で、どのような気持ちでサービスを利用しているのか、その一連の体験を詳細に把握する。
  • ブランドイメージの深掘り: 顧客が自社ブランドに対して抱いている、言葉にしにくい複雑なイメージや感情、信頼の源泉などを明らかにする。

このように、デプスインタビューは「何が起きているか」ではなく「なぜそれが起きているか」を解明することに特化した手法です。

そのため、アンケート調査などの量的調査と組み合わせることで、データの裏にある人間のリアルな姿を浮かび上がらせ、より立体的で深い顧客理解を可能にします。

この顧客理解こそが、効果的なマーケティング戦略を立案する上で不可欠な土台となるのです。

依頼で変わるデプスインタビューの料金・費用・謝礼

依頼で変わるデプスインタビューの料金・費用・謝礼
Insights4 Pharma イメージ「依頼で変わるデプスインタビューの料金・費用・謝礼」
  • 自社で行う場合の費用と具体的なやり方と時間的コスト
  • 外注は割高?費用対効果で考えるメリットと理由
  • 調査会社へのインタビュー依頼のポイント
  • マクロミル等の大手調査会社に依頼する費用
  • アンケート調査との費用・目的の比較
  • 最適な費用でデプスインタビューを依頼するコツ

自社で行う場合の費用と具体的なやり方と時間的コスト

調査会社に外注せず、自社のリソースでデプスインタビューを実施することは、予算を大幅に抑えられる可能性がある魅力的な選択肢です。

しかし、その分、社内の人員と専門的なノウハウが求められることを理解しておく必要があります。

自社実施の場合にかかる費用

自社でインタビューを実施する場合、調査会社に支払う企画費やモデレーター費、高額なレポーティング費などは発生しません。主な費用は以下の実費となります。

  • 対象者への謝礼: これは外部委託の有無にかかわらず必須の費用です。
  • リクルーティング費用: 自社の顧客リストなどから対象者を集められない場合、対象者の募集のみを外部のパネル会社やリクルーティング専門サービスに依頼することがあります。その場合、1名あたり数千円から1万円程度またはそれ以上の費用がかかることがあります。
  • 会場費(対面の場合): 社内に静かで中立的な雰囲気の会議室がない場合、貸し会議室などを利用する費用が必要です。
  • ツール利用料: オンラインで実施する場合のWeb会議システムの有料プランや、録音した音声を文字起こしするツールの利用料などが考えられます。

これらの直接的な費用に加えて、担当する社員が調査に費やすすべての時間、すなわち「人件費」が内部的なコストとして発生します。

企画から分析まで、一連のプロセスには相当な時間がかかるため、この時間的コストは決して無視できません。

自社実施の具体的なやり方(ステップ)と時間的コスト

  1. 調査企画(5~10時間): 調査の目的と課題を明確にし、誰に何を聞きたいのかを定義します。
  2. 対象者リクルーティング(10~30時間): 企画に合った対象者を自社の顧客リストやSNS、リクルーティングサービスなどを利用して募集し、条件確認や日程調整を行います。
  3. インタビューフロー作成(5~10時間): 当日の進行をスムーズにするための質問の流れを具体的に設計します。
  4. インタビュー実施(1人あたり1~1.5時間 × 人数): 実際に1対1でインタビューを行います。
  5. 分析・レポーティング(20~50時間): 録音した音声データを元に文字起こしを行い、発言内容を整理・分類し、そこからインサイトを抽出して報告書にまとめます。

自社実施の最大のデメリットは、これらの各ステップで専門的なスキルが求められる点です。

特に、対象者の本音を引き出すための高度なインタビュースキルや、膨大な発言データから意味のある結論を導き出す分析スキルは、経験がなければ質の高い結果を得ることが難しい部分です。

費用削減のメリットと、調査の品質が低下し、誤った意思決定につながるリスクを天秤にかけて、慎重に判断することが求められます。

外注は割高?費用対効果で考えるメリットと理由

デプスインタビューを専門の調査会社へ外注すると、数十万円単位のまとまった費用がかかるため、一見すると「割高だ」と感じるかもしれません。

しかし、その費用を単なる「コスト」として捉えるのではなく、長期的な視点での「投資」として捉え、費用対効果でその価値を判断することが賢明です。

外注の主なメリット

  1. 専門的なスキルと経験の活用: 調査会社には、対象者の本音を巧みに引き出すプロのインタビュアー(モデレーター)や、膨大な定性データを分析する専門のリサーチャーが在籍しています。自社で行う場合と比較して、調査から得られる情報の「質」と「深さ」が格段に向上する可能性が高いです。
  2. 客観性の担保: 社内の人間がインタビューを行うと、どうしても自社製品に対して好意的な意見を誘導してしまったり、無意識のうちに自社の仮説を肯定するような発言ばかりに注目してしまったりする「インタビュアーバイアス」がかかる危険性があります。第三者である調査会社が実施することで、客観的で公平な視点から、時に厳しい意見も含めたありのままの顧客の声を得ることができます。
  3. 社内リソースの大幅な節約: 前述の通り、デプスインタビューの実施には、対象者の募集から日程調整、会場手配、分析レポート作成まで、非常に多くの時間と手間がかかります。これらの煩雑な業務をすべて専門家に委託できるため、自社の社員は本来のコア業務に集中することが可能になります。これは、目に見えにくい「人件費」というコストの削減に直結します。
  4. 高品質なリクルーティング: 調査会社は独自の調査モニターパネルを保有していることが多く、自社ではリーチできないような多様な属性の対象者を、設定した条件に合わせて的確に集めることができます。これにより、調査結果の信頼性が高まります。

費用対効果とリスクで考える理由

もし自社で時間をかけてインタビューを実施した結果、バイアスのかかった質の低い情報しか得られなかった場合、どうなるでしょうか。

その誤ったインサイトに基づいて商品開発やマーケティング戦略を立ててしまうと、市場のニーズとずれた製品を生み出し、結果的に大きな損失につながる可能性があります。

調査会社への外注費用は、「質の高いインサイト」「客観性」、そして「社員の時間」という、事業成功に不可欠な要素を購入するための投資と言えます。調査の目的、規模にもよりますが、専門家に依頼することで得られる価値は、支払う費用を大きく上回ると考えられます。

調査会社へのインタビュー依頼のポイント

デプスインタビューを成功させるためには、自社の目的に合った信頼できる調査会社を選び、依頼の段階で調査の目的や背景、要望を的確に伝えることが何よりも鍵となります。

調査会社の選び方

複数の調査会社を比較検討する際には、単に価格の安さだけで判断するのではなく、以下の点に注目すると良いでしょう。

  • 実績と専門性: 自社の業界や調査したいテーマに関して、過去に豊富な実績があるかを確認します。ウェブサイトの事例紹介などを参考に、特に定性調査やデプスインタビューを得意としている会社を選ぶことが重要です。
  • 担当者のコミュニケーション能力: 見積もり依頼や打ち合わせの段階で、こちらの意図を正確に汲み取り、専門的な観点から的確な提案をしてくれるかを見極めます。担当リサーチャーとの相性も、プロジェクトを円滑に進める上で意外と大切な要素です。
  • リクルーティング力: どのような方法で対象者を集めるのか、自社の求める条件の対象者を確実に確保できるかを確認します。独自のモニターパネルの規模や質も判断材料になります。
  • アウトプットの質: 可能であれば、過去のレポートサンプルなどを見せてもらい、分析の深さや報告書の分かりやすさが自社の求めるレベルに達しているかを確認しましょう。

調査会社に問い合わせる際、できるだけ詳細な情報を提供することで、見積もりの精度が上がり、その後の進行が非常にスムーズになります。

また、目的などを明確に記載したRFPも市場調査会社へ依頼する際にも失敗しないために有効なツールと言えます。RFPに゙関しては基本からコツまで詳しく書いている別記事「RFPの活用ガイド」をご活用ください。

大手調査会社に依頼する費用

市場調査業界には数多くの会社が存在します。大手調査会社は、豊富な実績と数百万⼈規模の調査パネルを強みとしています。

大手企業にデプスインタビューを依頼する場合の費用感を知ることは、業界の相場観を理解する上で非常に有益です。

一般的に、マクロミルをはじめとする大手調査会社は、調査の企画設計から対象者のリクルーティング、インタビューの実査、そして分析レポートの作成までをワンストップで提供する包括的なサービスを展開しています。

デプスインタビューの場合、基本料金として、対象者6名程度の実施で20万円台からという価格設定がされていることがあります。

しかし、これはあくまで「基本料金」であり、ここからリクルーティングの難易度や分析レポートのボリューム、オプションなどに応じて費用が加算されていく点に注意が必要です。

例えば、マクロミルが公開している料金例を参考にすると、以下のような仕様で依頼した場合、総額は300万円を超えるケースも示されています。

  • 調査目的: アルコール飲料に関するインタビュー
  • 対象者: 指定アルコール飲料を週1回以上飲用している方
  • 人数: 12名
  • 納品物: 発言録、分析レポート

(出典:株式会社マクロミル「オフラインリサーチ料金(FGI・DI・CLT・HUT)」

大手調査会社は、安定した調査品質と大規模なリクルーティング力、そして高度な分析ノウハウに絶大な強みがありますが、その分、費用は中小の専門会社に比べて高くなる傾向が見られます。

一方で、調査の規模や複雑さに応じて柔軟な料金体系を持っているため、まずは自社の要望を具体的に伝えて見積もりを依頼するのが良いでしょう。

なお、海外の市場調査においてデプスインタビュー調査を依頼する際には、外資系の調査会社への依頼が必要となります。その際には、グローバルデータ社など日本にも支店を保有する会社や、弊社のような市場調査支援のコンサルタントに相談する方法がおすすめです。

アンケート調査との費用・目的の比較

デプスインタビューの費用を検討する際、しばしば比較対象となるのが、より手軽に実施できるイメージのあるアンケート調査(定量調査)です。両者はマーケティングリサーチにおける役割や目的が根本的に異なるため、費用構造も大きく違います。

項目デプスインタビュー(定性調査)アンケート調査(定量調査)
主目的仮説の発見・深層心理の探索
(Whyを探る)
仮説の検証・実態の数値化
(What/How manyを探る)
対象者数少数(5名~15名程度)多数(数百名~数千名規模)
1人あたりの単価高い低い
費用総額の目安80万円~200万円10万円~100万円
主な費用内訳企画費、リクルーティング費、モデレーター費、謝礼、分析レポート費など、人件費の割合が高い配信費、画面作成費、モニター謝礼(ポイント)など、システムの利用料が中心
Insights4 Pharma調べ「アンケート調査との費用・目的の比較」

アンケート調査は、比較的安価に多くのサンプル(回答者)から量的なデータを集めることができるため、市場全体の傾向を把握したり、施策の効果を数値で測定したりするのに非常に適しています。例えば、「自社ブランドの認知率は30%である」といった客観的な事実を、統計的な信頼性をもって把握できます。

一方、デプスインタビューは1人あたりの単価が高く、多くのサンプルを集めるのには向きませんが、その「なぜ残りの70%は認知していないのか」「認知している30%の人は、どのような経緯でブランドを知り、どんなイメージを持っているのか」といった、数値の裏にあるストーリーや感情を深く理解することができます。

このように、両者はどちらが優れているという関係ではなく、相互に補完し合う関係にあります。多くの場合、まずアンケート調査で市場全体の傾向や課題を大まかに把握し、そこで見つかった特定の課題について、その原因をデプスインタビューで深掘りするという流れで活用されます。それぞれの特性と費用感を正しく理解し、調査目的に合わせて最適な手法を選択することが、効果的なマーケティングリサーチの鍵となります。

デプスインタビューの料金、費用、謝礼に関するよくある質問

FAQ
Q
デプスインタビューの費用をできるだけ安く抑える方法はありますか?
A

いくつか方法が考えられます。まず、対面ではなくオンラインで実施することで会場費を削減できます。次に、調査の目的を明確にし、調査会社への依頼範囲を「リクルーティングと実査のみ」に限定し、分析やレポーティングは自社で行うことで費用を抑えることが可能です。また、リクルーティングが難しい希少な対象者ではなく、比較的探しやすい条件の対象者に設定することでも費用は変わってきます。

Q
対象者への謝礼は現金以外でも問題ないのでしょうか?
A

はい、問題ありません。特に対面を伴わないオンラインインタビューでは、Amazonギフト券などのデジタルギフトをメールで送付する方法が一般的になっています。現金手渡しに伴う準備の手間や、銀行振込の手数料と個人情報管理のリスクを避けることができるため、実施側・参加側双方にとってメリットがあります。

Q
調査会社に見積もりを依頼する前に、何を準備しておけばよいですか?
A

見積もりの精度を高め、スムーズに相談を進めるために、最低でも「調査の目的(何を知りたいのか)」「対象者の具体的な条件(誰に聞きたいのか)」「おおよその予算感」「希望する納期」の4点を明確にしておくことをお勧めします。これらの情報が具体的であるほど、調査会社も的確な提案と見積もりを提示しやすくなります。

信頼できる情報源と関連リソース

市場調査の知識をさらに深めるためのリソースとおすすめ記事、信頼できる公式情報のリンク集をご紹介します。

プロが解説、デプスインタビューの料金と費用、謝礼の全てのまとめ

この記事で解説してきた、デプスインタビューに関する料金、費用、謝礼に関して重要なポイントを以下にまとめます。今後の調査を計画する際のチェックリストとしてご活用ください。

なお、本記事では具体的なコストを中心に解説しましたが、デプスインタビューのより詳細な企画設計や、得られた発言を分析して報告書にまとめる方法まで学びたい場合は、【実践ガイド】デプスインタビューの企画設計から分析レポート作成までを合わせてお読みいただくことで、さらに理解を深めることができます。

  • デプスインタビューは個人の深層心理を探る定性調査手法です
  • 費用は総額で数十万円から数百万円と調査内容により大きく変動します
  • 一般的な料金相場は対象者6名で80万円から200万円程度が目安です
  • 費用の主な内訳は企画費・リクルーティング料・謝礼・実査費・レポーティング料です
  • 対象者の専門性や出現率が低いほどリクルーティング費用は高騰します
  • オンラインでの実施は会場費が不要なため全体のコスト削減につながります
  • 謝礼の相場は一般消費者なら60分で8,000円から10,000円が目安です
  • 医師や経営者など専門職の謝礼は60分で2万円以上になることもあります
  • 謝礼の渡し方は現金手渡しやデジタルギフト、銀行振込などがあります
  • 自社実施はコストを抑えられますが専門スキルと多大な工数が必要です
  • 外注は専門家による高品質な調査と客観性を確保できるメリットがあります
  • 外注費用は質の高いインサイトを得るための事業投資と捉えることが大切です
  • 調査会社選びでは実績や担当者との相性、アウトプットの質がポイントです
  • 依頼時は調査目的や対象者条件、予算、納期を明確に伝えることが重要です
  • アンケート調査とは目的も費用構造も異なり相互に補完し合う関係です
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