HR陽性・HER2陰性乳がんにおける新治療:Celcuityの第3相試験で有望な結果

HR陽性・HER2陰性乳がんにおける新治療:Celcuityの第3相試験で有望な結果 研究開発

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アメリカのバイオテックCelcuityが、進行性乳がんを対象とした第3相臨床試験「VIKTORIA-1」のPIK3CA野生型コホートにおいて、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)の改善を達成したと発表しました。

本試験では、同社が開発中の多標的PAM阻害剤「Gedatolisib」を含む2つの治療レジメンが、いずれも従来の治療薬Faslodex(Fulvestrant)と比較して統計学的にも臨床的にも意味のある有効性を示しました。

これにより、治療抵抗性を示すことの多いHR陽性・HER2陰性乳がん患者に対する新たな治療選択肢として期待が高まっています。

Insights4 Pharmaの編集責任者で市場調査コンサルタントの前田が、今日ピックアップした世界の製薬業界のトップニュースは、米Celcuity社が発表した画期的な乳がん治療の臨床試験結果です。

どうぞ最後までお読みください。

HR陽性・HER2陰性乳がんにおける治療効果

医薬品 開発
  • Gedatolisibとは?
  • Gedatolisibの三剤併用療法による進行抑制効果
  • 二剤併用療法でも良好な結果を示す
  • 有害事象の発生率と安全性の傾向
  • 今後の展開と承認申請の見通し

Gedatolisibとは?

Gedatolisibは、PAM経路(PI3K/AKT/mTOR)を広範に抑制することを目的として開発された、経口投与型の多標的阻害剤です。

現在承認されている治療薬の多くはこの経路の中の一部、例えばPI3KαやmTORC1のみに作用しますが、Gedatolisibは4つのPI3Kアイソフォーム、mTORC1、mTORC2をすべて同時に阻害する特徴があります。

この包括的な作用によって、既存薬で問題となる「経路の交差活性化による薬剤耐性」を防ぎ、より確実な腫瘍増殖の抑制が期待されます。

さらに、非臨床および初期の臨床データでは、PIK3CA変異型と野生型の腫瘍細胞の両方に対して同程度の有効性を示しており、遺伝子変異に依存しない広い適応が見込まれます。

Gedatolisibの三剤併用療法による進行抑制効果

今回の臨床試験で注目を集めたのは、GedatolisibにPalbociclibおよびFulvestrantを併用した三剤レジメンです。

この治療法は、Faslodex単独と比較して、疾患進行または死亡のリスクを76%も低下させました。具体的には、無増悪生存期間の中央値(mPFS)が2.0か月から9.3か月へと大きく延長されました。

このような結果は、これまでの乳がん治療の中でも非常に稀であり、治療効果としても際立っています。さらに、過去の第3相試験において同等の改善が示されたことはなく、がん治療における新たなマイルストーンとなる可能性があります。

二剤併用療法でも良好な結果を示す

GedatolisibとFulvestrantの二剤併用でも、PFSの大幅な改善が見られました。この組み合わせでは、疾患進行または死亡のリスクが67%低下し、mPFSは7.4か月に達しました。

つまり、Palbociclibを加えないレジメンでも十分な効果が得られたことから、患者の病状や体調に応じて柔軟な治療選択が可能になると考えられます。

有害事象の発生率と安全性の傾向

治療効果だけでなく、安全性においてもGedatolisibレジメンは良好な結果を示しました。具体的には、治療中止につながる有害事象の発生率が低く、以前の第1b相試験や既存の治療法と比べて有意に少ない傾向が確認されました。

特に、過去に問題とされてきた高血糖や口内炎の発生率が抑えられていた点は注目に値します。患者のQOL(生活の質)を損なわずに治療を継続できる可能性が高いといえるでしょう。

今後の展開と承認申請の見通し

Celcuityは2025年の第4四半期に、Gedatolisibの新薬承認申請(NDA)をFDAに提出する予定です。また、PIK3CA変異型コホートの結果も年内に公表される見込みであり、治療適応の拡大に期待が寄せられています。

さらに、VIKTORIA-2と呼ばれる第1次治療対象の第3相試験や、前立腺がんにおける臨床試験も進行中で、今後の成果が医療現場に大きな影響を与える可能性があります。

まとめ:HR陽性・HER2陰性乳がんにおける新治療:Celcuityの第3相試験で有望な結果

  • GedatolisibはPI3K/AKT/mTOR経路を広く抑える多標的阻害剤
  • 遺伝子変異の有無に関わらず高い効果を発揮する
  • 三剤併用療法ではPFSを7か月以上延長
  • 二剤併用でも従来治療を大きく上回る有効性
  • 臨床試験で示された治療効果は過去に類を見ない水準
  • 安全性の面でも有害事象による治療中止が少ない
  • 高血糖や口内炎の発生率も低下傾向
  • FDAへの新薬申請は2025年Q4に予定
  • PIK3CA変異型コホートの結果にも注目が集まる
  • Celcuityは複数のがん種でGedatolisibを開発中

出典・参照文献

Celcuity Announces Clinically Meaningful Improvement in Both Progression-Free Survival (“PFS”) Primary Endpoints from PIK3CA Wild-Type Cohort of Phase 3 VIKTORIA-1 Trial|GlobeNewswire Celcuity

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