スウェーデンのバイオ医薬品企業Alligator Bioscienceは、進行性膵臓がんに対する新たな治療法として注目される免疫療法薬「ミタザリマブ」の24か月データを、2025年7月に開催されるESMO消化器がん学会にて発表すると公表しました。
今回のデータは、ミタザリマブと化学療法の併用による生存期間や治療効果を評価した臨床試験「OPTIMIZE-1」に基づいており、特に高用量群で有望な結果が示されています。
膵臓がん治療薬「ミタザリマブ」の臨床データをESMOで発表へ

- 治療成績と生存期間の向上
- 用量ごとの比較結果とその意味
- 今後の臨床開発と安全性に関する展望
治療成績と生存期間の向上
今回発表されたOPTIMIZE-1試験は、これまで治療を受けたことのない転移性膵臓管腺がん(mPDAC)患者を対象に、ミタザリマブと標準化学療法mFOLFIRINOXの併用効果を検証したものです。
900μg/kgのミタザリマブを投与された群では、中央値全生存期間が14.9か月に達し、進行抑制期間も7.8か月という結果が得られました。特筆すべきは、24か月時点の生存率が29.4%に達しており、これは従来の化学療法単独と比較して約3倍の改善を示しています。
こうした結果から、ミタザリマブの長期的な治療効果が裏付けられ、膵臓がん治療における免疫療法の可能性がさらに強調される形となりました。
用量ごとの比較結果とその意味
一方で、投与量の違いによる治療効果の差異も明らかになりました。OPTIMIZE-1試験では、900μg/kg群と450μg/kg群の両方で評価が行われています。
比較の結果、900μg/kg群では奏効率が54.4%に達したのに対し、450μg/kg群では22.7%にとどまりました。このことから、用量依存的に治療効果が強まる可能性があると考えられます。
この結果は、より高い用量での治療が有効であるという判断を裏付けるものであり、米国食品医薬品局(FDA)もこの900μg/kgを推奨フェーズ3用量として承認しています。
今後の臨床開発と安全性に関する展望
ミタザリマブの今後の開発では、臨床効果だけでなく、安全性の確保も焦点となります。現時点では有害事象に関する深刻な報告は少なく、全体として良好な安全プロファイルが確認されているとされています。
今後予定されているフェーズ3試験では、より多くの患者を対象に、長期的な使用による影響や効果の持続性を精査することが求められます。特に免疫療法であるため、免疫関連の副作用の有無や管理も重要な評価項目となります。
これらの進展が、膵臓がん治療における選択肢の拡大と治療成績の向上につながることが期待されます。
Alligator Bioscience、膵臓がん治療薬「ミタザリマブ」の24か月データをESMO GI 2025で発表へ
- Alligator社がOPTIMIZE-1試験の最新結果を発表予定
- 対象は未治療の転移性膵臓がん患者
- 900μg/kg投与群で全生存中央値は14.9か月
- 24か月生存率は29.4%で化学療法単独の約3倍
- 進行抑制期間は7.8か月に達した
- 高用量群での奏効率は54.4%
- 低用量群の奏効率は22.7%にとどまった
- 用量依存的な効果の可能性が示唆された
- FDAは900μg/kgを推奨フェーズ3用量として承認
参照文献
Alligator to Present 24-Month OPTIMIZE-1 Data at ESMO GI 2025|Alligator プレスリリース
