潰瘍性大腸炎に新たな選択肢、Abivaxの新薬が第3相試験で有望な結果

潰瘍性大腸炎に新たな選択肢、Abivaxの新薬が第3相試験で有望な結果 研究開発

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フランスのバイオテクノロジー企業Abivaxは、同社が開発するmiR-124エンハンサー「Obefazimod」に関する第3相臨床試験(ABTECT-1およびABTECT-2)のポジティブな結果を発表しました。

対象となったのは、中等度から重度の活動性潰瘍性大腸炎(UC)を有する患者1,275人で、世界36カ国の臨床施設で実施された大規模な国際共同試験です。

今回の報告では、50mgの経口投与が臨床的寛解を有意に改善したことに加え、副次評価項目もすべて達成されました。これにより、Obefazimodが今後の治療選択肢として注目される理由が浮き彫りとなりました。

潰瘍性大腸炎治療におけるObefazimodの第3相試験結果と今後の展望

潰瘍性大腸炎治療におけるObefazimodの第3相試験結果と今後の展望

・50mg投与の効果が顕著に現れた理由とは
・25mg投与の結果と限界
・今後の治療方針や規制への影響

50mg投与の有効性とその臨床的意義

今回の試験で最も注目されたのは、50mgのObefazimodを1日1回投与した群において、明確な臨床的改善が観察された点です。8週間時点でのプラセボ調整済み臨床寛解率は、ABTECT-1で19.3%、ABTECT-2で13.4%と、それぞれ統計的に有意な差が示されました。

この結果は、従来の治療に効果がなかった患者にとっても、期待できる治療法となる可能性を示しています。特に、過去にJAK阻害剤などの先進的治療で十分な効果が得られなかった患者が47.3%含まれていた点は見逃せません。

加えて、副次的評価項目である内視鏡的改善、臨床反応、組織学的粘膜改善といった項目でも優れた効果が認められました。これらの成果から、Obefazimodは今後の標準的治療選択肢の一つとして、現場での導入が期待されます。

25mg投与の成績と限界点

一方で、25mg投与群の結果はやや複雑です。ABTECT-1ではプラセボ調整済み寛解率が21.4%と高い値を示しましたが、ABTECT-2では5.1%に留まり、統計的有意差は確認されませんでした。

ただし、両試験を通じて観察された28.6%の臨床反応率は、長期維持試験におけるさらなる寛解達成への可能性を示唆しています。したがって、低用量の活用については、今後の追加データの蓄積が鍵となるでしょう。

このように、25mgは一部の患者には有効である可能性があるものの、現時点では50mgの方がより確実な効果を示していると判断されます。

安全性と忍容性に関する評価

治療の効果に加えて、安全性の評価も非常に重要です。今回の試験では、Obefazimodの投与による新たな安全性上の懸念は報告されませんでした。

特に、重大な有害事象や投与中止につながる副作用の発生率も、プラセボ群と大きな差はなく、両投与量ともに良好な忍容性が確認されました。50mg群での投与中止率は、ABTECT-1で5.3%、ABTECT-2で4.7%と比較的低水準に抑えられています。

以上のことから、安全性の観点からもObefazimodは臨床使用に適した薬剤であると考えられます。

維持療法試験と今後の申請予定

現在、ABTECT試験の延長として、臨床反応を示した患者678人を対象にした44週間の維持療法試験が進行中です。この結果は2026年第2四半期に公表される予定です。

この試験の成功を条件に、Abivaxは2026年下半期に米国FDAおよび欧州医薬品庁(EMA)への新薬承認申請を計画しています。これが実現すれば、潰瘍性大腸炎治療の領域において、新たな選択肢が加わることになります。

一方で、他社製品との競争も見据える必要があります。とくに、Johnson & Johnsonが開発中の口腔投与可能なIL-23阻害剤「Icotrokinra(JNJ-2113)」との比較は、今後の市場競争における注目点となるでしょう。

潰瘍性大腸炎に新たな選択肢、Abivaxの新薬が第3相試験で有望な結果のまとめ

  • Obefazimod 50mgは第3相試験で統計的に有意な臨床寛解を達成
  • 25mgは一部で効果が見られたが、十分な一貫性は確認できなかった
  • 臨床反応や内視鏡的評価など副次評価項目でも良好な結果
  • 安全性面では両用量ともに新たなリスクは認められなかった
  • JAK阻害剤に反応しなかった患者にも有効性を示唆
  • 維持療法試験が現在進行中で2026年に結果報告予定
  • 成功すればFDA・EMAへの申請が見込まれている
  • 世界36カ国で実施された大規模試験での成果
  • Obefazimodは経口投与型で患者負担が比較的少ない
  • 他社新薬との競争も視野に入れた戦略が求められる

出典・参照文献

Abivax Announces Positive Phase 3 Results from Both ABTECT 8-Week Induction Trials Investigating Obefazimod, its First-in-Class Oral miR-124 Enhancer, in Moderate to Severely Active Ulcerative Colitis|Abivax / GlobeNewswire

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