市場調査は、ただのデータ収集ではありません。企業が未来に向けて意思決定を行うための大切な羅針盤です。
新しい商品やサービスを企画するときも、海外市場に進出するときも、あるいは既存事業の方向性を見直すときも、信頼できる調査結果がなければ適切な判断を下すことはできません。
私自身、これまで25年以上市場調査に携わってきた中で、何度も発注者の立場に寄り添ってきました。
その経験の中で、ある企業が海外市場調査を依頼したのですが、依頼の段階で目的が曖昧なまま進んでしまったのです。
調査会社は懸命にデータを集めてきましたが、結果として「期待していた答えが得られなかった」と依頼者は不満を口にしました。
そこで初めて、依頼内容が整理されていなかったこと、調査会社への指示が不十分だったことに気づいたのです。
このケースは決して珍しいものではありません。
実際の現場では「調査会社に依頼したのに役立つ成果が得られなかった」「レポートは届いたが結局どう活かせばいいのか分からなかった」という声が後を絶ちません。
その多くは調査会社の能力不足ではなく、発注者側が正しい準備や依頼方法を踏んでいなかったことが原因です。
目的を明確にせずに依頼してしまったり、必要な情報をきちんと共有できなかったりすると、どんなに優秀な調査会社であっても成果を出すことは難しいのです。
記事のポイント
- 市場調査の成功にはRFPを正しく活用して発注が必須
- RFP(提案依頼書)の基礎とメリット
- RFPを正しく作成する方法
- RFPをプロジェクト成功のために活用する
- 市場調査の発注とRFPの活用に関する公式ガイド・公的情報
- 次の一歩:市場調査コンサルタントに相談してみませんか?
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市場調査の成功にはRFPを正しく活用して発注が必須

市場調査を成功に導くためには、まず自分たちがなぜ調査を行うのか、その目的や背景をしっかり言葉にすることが欠かせません。
そのためには、提案依頼書(RFP)をどのように作成するのか、そしてどのように活用するのかが成功のための第一歩であり、最終的に得られる成果の質を大きく左右します。
このページでは、調査発注の流れやRFPの活用方法を体系的に学び、そのあとで信頼できる公的機関や国際団体が公開している公式ガイドラインや一次情報をご紹介します。
実務に役立つノウハウと、権威ある情報源の両面を押さえることで、読者の皆さまが安心して市場調査を依頼できるようになることを目指しています。
ここからは、当ブログで発信している記事の中から「市場調査を正しく発注するために役立つ記事」を紹介します。
それぞれの記事は独立して読めますが、順に読み進めることで、初心者でも自然に理解が深まるように設計されています。
RFP(提案依頼書)の基礎とメリット
- RFPの基本を理解する
- RFPを活用するメリットとは?
RFPの基本を理解する

RFP(Request For Proposal:提案依頼書)は、市場調査を依頼する際に欠かせない文書です。この記事では「RFPとは何か?」から始まり、なぜ市場調査の発注で重要なのかをわかりやすく解説しています。RFPを使うことで、調査会社に対して「何を求めているのか」を明確に伝えることができ、結果として的確な提案が集まりやすくなります。
RFPを活用するメリットとは?

RFPのメリットは、単に「依頼が分かりやすくなる」だけではありません。競合他社と比較する際に公平な評価ができる、コストやスケジュールのトラブルを防げる、社内関係者の合意形成がスムーズになる、など数多くの利点があります。
この記事は、発注者がRFPを作成する「意味と意義」をしっかり理解するのに役立ちます。
RFPを正しく作成する方法
- RFPの書き方の基本
- 市場調査の依頼するRFPの作成
- 英語でのRFP作成
RFPの書き方の基本

ここでは、実際にRFPを書くときに必要な要素(背景・目的・調査範囲・期待する成果・スケジュール・予算の目安など)を具体的に説明しています。
「この項目を書き忘れると調査会社が困る」「あえて書かない方がよいこと」など、実務でしか得られない知見も盛り込まれています。
市場調査の依頼するRFPの作成

RFP(提案依頼書)は、調査会社を選定するための重要なツールですが、そもそも「なぜ必要なのか」「どのように活用するのか」を理解しておくことが大切です。
以下の記事では、RFPを市場調査で使う意味やメリット、作成時のポイントを整理しています。これからRFPを活用しようと考えている方はぜひご参照ください。
英語でのRFP作成

海外調査会社に依頼する場合、RFPを英語で作成する必要があります。
以下の記事では「日本語で書いたものを直訳すると伝わりにくい」「文化差に配慮した書き方が必要」など、英語RFP特有の注意点が具体例とともに紹介されています。
RFPをプロジェクト成功のために活用する方法
- RFPを成功するために重要な発出後のプロセス
- プロジェクトや調査のRFP作成を専門業者に依頼とその相場
RFPを成功するために重要な発出後のプロセス

RFPを発出するだけではプロジェクトは成功しません。重要なのは、提出後にどのような流れで評価や選定を行い、ベンダーとの協働を進めていくかというプロセスです。
以下の記事では、RFPの作成から発出、さらにその後の評価・選定の流れまでを実務的な観点から徹底的に解説しています。
▶ プロジェクト成功にRFP発出後のながれと重要プロセスを徹底解説
RFP作成を専門業者に依頼するコンサルティングサービスという手段

RFP作成は自社で草案を準備して外部にレビューを依頼する方法もあれば、ゼロから専門コンサルに依頼する方法もあります。前者はコストを抑えられますが、後者は高額になる代わりに効率性や品質面でメリットがあります。依頼前に自社でどこまで準備するかを整理することが重要です。
RFP作成依頼の相場について、業界別の具体的な費用感や支援サービスの種類まで詳しく知りたい方は、こちらの記事で詳しく解説しています。依頼前の判断材料としてぜひご覧ください。
👉 RFP作成支援コンサルティングサービスの相場比較 成功のための活用ポイント
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市場調査の発注とRFPの活用に関する公式ガイド・公的情報

上記の記事で流れやノウハウを理解したら、次は「公式情報」を確認しましょう。ここで紹介するサイトは、調査会社自身が準拠しているルールや、依頼者が最低限知っておくべき一次情報です。
「なぜこのサイトを見るのか」という理由も合わせて紹介します。
- 日本の公式情報・公的リソース
- 国際的な基準とRFP関連情報
日本の公式情報・公的リソース
統計と市場データ
- 総務省 e-Stat(統計ポータル)
→ 日本国内の統計の総合窓口。調査を依頼する前に、すでに公開されているデータを確認すれば、不要な調査を避けられます。一次統計は発注内容の裏付けにもなります。 - 経済産業省|統計・白書
→ 産業動向や市場規模を把握できる一次資料。特に製造業・サービス業の発注担当者にとって、発注前の現状把握に役立ちます。 - JETRO|海外市場調査
→ 日本企業向けの海外市場レポートを提供。海外調査を依頼する前に既存レポートを確認することで、費用を抑えつつ情報収集が可能です。
調査業界団体の基準
- 日本マーケティング・リサーチ協会(JMRA)
→ 国内調査業界の代表団体。加盟会社リストや調査倫理規範を公開しており、調査会社の信頼性を判断する材料になります。 - 日本世論調査協会(JAPOR)
→ 世論調査を中心とした調査倫理の指針を提示。依頼者として「調査がどうあるべきか」を学ぶのに役立ちます。
個人情報と法規制
- 個人情報保護委員会(PPC)公式サイト
→ 個人データの取り扱いに関する日本の最上位機関。調査で個人情報を収集する場合、依頼者自身が法規制を把握していないと大きなリスクを背負います。
国際的な基準とRFP関連情報
調査の倫理・品質基準
- ICC/ESOMAR国際規範
→ 世界的に認められた市場調査の倫理規範。依頼者もこの基準を理解しておけば「信頼できる調査会社を見極める基準」として活用できます。 - ISO 20252(市場調査の国際規格)
→ 調査の品質管理に関する国際規格。この規格を満たす調査会社は一定の品質を保証しているため、発注者にとって安心材料になります。
RFPの一次情報
- 米国FAR 15.203(RFPの定義)
→ アメリカ連邦政府が定めるRFPの公式定義。発注文書に盛り込むべき項目を明文化しており、依頼者が参考にすべき一次情報です。 - 英国政府 CCS|仕様書の書き方
→ 英国政府が公開する「仕様書作成の実務ガイド」。RFP作成において何を盛り込むか、どんな表現を避けるかを依頼者視点で確認できます。
次の一歩:市場調査コンサルタントに相談してみませんか?

ここまでご紹介してきたように、市場調査を成功させるためには「正しい発注の流れを理解すること」と「適切なRFPを準備すること」が欠かせません。
記事を読めば全体像をつかむことはできますが、実際に手を動かす段階になると「この目的はどう言語化すればよいのか」「どこまで情報を開示すべきか」「複数社にどう伝えれば公平な比較ができるのか」といった具体的な疑問が次々に湧いてくるものです。
そうしたときこそ、市場調査のプロであるコンサルタントに相談することが大きな助けになります。
専門家と対話することで、単なる知識の理解にとどまらず、自社の状況に合った RFPの作成方法 や 調査会社への伝え方 を一緒に整理できます。
結果として調査会社から返ってくる提案の質が高まり、調査全体の成功につながります。
市場調査は未来への投資です。その投資を確実に成果へと変えるために、今こそ正しい準備と信頼できる伴走者が必要です。
もし少しでも「自分だけでは不安だ」と感じるなら、どうぞ気軽にご相談ください。あなたの挑戦を後押しし、調査が成果に直結するよう全力でサポートいたします。
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よくある質問(Q&A)
Q1. 市場調査を依頼する前に、まず何を準備すべきですか?
最優先は目的と背景の言語化です。加えて、社内の想定意思決定(Go/No-Go等)、調査対象の仮説、優先指標(売上機会・顧客数など)を整理しておくと、調査設計がぶれません。
Q2. RFP(提案依頼書)は必ず作成しなければなりませんか?
必須ではありませんが強く推奨です。要求事項が明確になり、複数社を公平に比較でき、コスト・スケジュールの齟齬を防げます。
Q3. RFPにはどんな内容を盛り込めばよいですか?
- 調査の背景・目的(意思決定との紐づけ)
- 対象市場・対象者・地域・期間などの範囲
- 期待する成果物(報告書形式、示すべき結論レベル)
- 希望スケジュールと予算目安(幅で可)
- 評価基準(価格/品質/スピード/専門性 などの重み)
- 守秘・個人情報・遵守規範(例:ICC/ESOMAR、ISO 20252)
Q4. 海外市場調査なら、日本語RFPを直訳すれば足りますか?
直訳だけでは意図が伝わりにくいことが多いです。文化・商習慣・用語に配慮した英語RFPを作成し、評価軸や成果物サンプルも明示しましょう。
Q5. RFPを作成する時間がありません。どうすればいいですか?
(A)社内たたき台+外部レビューでコスト抑制、または(B)専門コンサルにゼロから委託で品質・効率を優先、の二択が代表的です。目的の明確さと期限から選びましょう。
Q6. 提案(見積)が届いた後は、どう進めればよいですか?
- 評価表(価格・方法論・体制・実績・コミュ力)でスコアリング
- 候補をショートリスト化し、質疑応答/ピッチで差異を確認
- 前提・成果物・マイルストンを最終合意してキックオフ
Q7. 公式ガイドや公的情報はどこを見ればよいですか?
- 日本の統計:総務省 e-Stat/経産省 統計
- 海外市場:JETRO
- 業界基準:ICC/ESOMAR 国際規範/ISO 20252
- RFP一次情報:米国 FAR 15.203/英国政府 CCS
【完全ガイド】市場調査を成功に導く正しいRFPの活用と発注方法
- 市場調査は経営判断の羅針盤となる重要な活動である
- 成功の鍵は目的を明確化したRFP作成にある
- RFPは調査会社にニーズを正しく伝える文書である
- RFPを用いると複数社の提案を公平に比較できる
- コストやスケジュールのトラブルを防ぐ効果がある
- 社内関係者の合意形成をスムーズにする機能がある
- RFPには目的・調査範囲・成果物・予算を盛り込む必要がある
- 英語でのRFP作成は文化差への配慮が求められる
- 発出後の評価・選定プロセスも成功に直結する要素である
- RFP作成は自社作成と専門コンサル依頼の両方の方法がある
- 公的データを確認すれば不要な調査を避けられる
- JMRAやESOMARの基準を理解することは信頼性確保につながる
- ISO 20252など国際規格を活用すれば品質が担保できる
- 米国FARや英国CCSの資料はRFP一次情報として役立つ
- 不安がある場合は市場調査コンサルタントに相談するのが効果的である
