2025年7月、米国のバイオ医薬品企業Viridian Therapeuticsは、日本のキッセイ薬品工業と戦略的提携を結びました。本契約により、眼科領域で開発中の治療薬「Veligrotug」と「VRDN-003」の日本国内における開発および商業化が進められます。
契約には7,000万ドルの一時金に加え、最大3億1,500万ドルのマイルストン支払いが含まれており、今後の市場展開に大きな注目が集まっています。
ニュースのポイント
- キッセイ薬品が開発・販売を担う2つの眼科治療候補薬とは
- 契約金額と今後の支払いスキーム
- 両社のねらいと日本市場の重要性
- 提携によるメリットと今後の課題
Viridianとキッセイ薬品のライセンス契約の全容

キッセイ薬品が開発・販売を担う2つの眼科治療候補薬とは
今回の提携で日本市場への展開が決定したのは、Viridian Therapeuticsが開発中の「Veligrotug(旧称:VRDN-001)」および「VRDN-003」です。
Veligrotugは、眼球突出を伴う甲状腺眼症(TED: Thyroid Eye Disease)の治療を目的とした抗体医薬で、現在グローバルに第3相臨床試験が進められています。VRDN-003は、Veligrotugと同様にTEDを対象としながら、低用量でも高い効果が期待される皮下投与型候補として注目を集めています。
これらの医薬品は、既存治療薬に比べて投与方法や副作用の面で優位性があるとされており、日本国内でも治療選択肢の拡大に寄与する可能性があります。
契約金額と今後の支払いスキーム
本契約では、Viridianがキッセイ薬品から受け取る契約一時金は7,000万ドル(約110億円)にのぼります。
加えて、開発・承認・販売の各段階において最大3億1,500万ドル(約475億円)に相当するマイルストン支払いが設定されており、総額では最大3億8,500万ドル(約585億円)規模の契約となります。
なお、Viridianは日本市場における製品売上に応じたロイヤリティも受け取る権利を保持しており、長期的な収益モデルが形成されています。
両社のねらいと日本市場の重要性
今回の提携において、両社は日本市場の戦略的重要性を明確に位置付けています。
Viridianにとっては、グローバルに治験中の医薬品を日本で早期に実用化することで、アジア圏での足掛かりを強化する狙いがあります。一方のキッセイ薬品は、自社での開発が困難な高付加価値バイオ医薬品を導入することで、専門領域の強化と国内市場での競争力向上を目指しています。
日本は高齢化が進行しており、眼科疾患の患者数も増加傾向にあるため、需要の高まりが見込まれます。こうした背景から、日本市場は両社にとって重要な展開先といえるでしょう。
まとめ:米Viridian社と日本のキッセイ薬品が提携 眼科疾患治療薬の日本展開に向けて最大385億円規模の契約締結
- VeligrotugとVRDN-003の2製品を対象とした提携契約である
- Viridianは最大3億8,500万ドル規模の対価を得る契約内容となっている
- 日本での眼科治療薬の展開において、キッセイ薬品が開発・販売を主導する
- TEDという希少疾患を対象としている点で市場拡張の可能性がある
- 両社の提携により、日本における新たな治療選択肢が提供される見込み
- 高齢化によって眼科疾患治療薬の需要は今後も増加すると予測される
- 日本市場を重視したグローバル企業の動向を象徴する事例である
- キッセイ薬品にとっては自社の専門性を高める絶好の機会となる
- 規制対応や市場開拓において両社の連携が成否を左右する
- バイオ医薬品の国際的なライセンス戦略の一環と見られる
